一寸法師⑨(怠け者の頭打つ槌)
一寸法師の打出の小槌とは、宝を打ち出す槌では
ありません。
ある人が有名な音楽家タンベルグに、ピアノの演奏依頼にいった。
近日にせまった新曲発表を、ぜひ、成功させたかったからである。
ところが、タンベルグの返事は意外であった。
「申し訳ないが、練習する日がたりません」
「あなたほどの大家、4~5日もあれば、これくらいの歌曲は、
わけないでしょう」
「いや、私は公開の席に出るには、一日50回、一ヶ月1500回以上の
練習をしなければ出演いたしません」
さすが達人の言というべきか。
大家でも、かかる信念に生きているのだ。
飲み、食い、眠り放題で、頭角を現そうとすることは、
木に縁(よ)って魚(うお)を求めるに等しい、と
言わねばならぬ。
「この槌は宝うち出す槌でなし。
なまくら者の頭うつ槌」
一寸法師の打出の小槌とは、宝を打ち出す槌では
ありません。
ある人が有名な音楽家タンベルグに、ピアノの演奏依頼にいった。
近日にせまった新曲発表を、ぜひ、成功させたかったからである。
ところが、タンベルグの返事は意外であった。
「申し訳ないが、練習する日がたりません」
「あなたほどの大家、4~5日もあれば、これくらいの歌曲は、
わけないでしょう」
「いや、私は公開の席に出るには、一日50回、一ヶ月1500回以上の
練習をしなければ出演いたしません」
さすが達人の言というべきか。
大家でも、かかる信念に生きているのだ。
飲み、食い、眠り放題で、頭角を現そうとすることは、
木に縁(よ)って魚(うお)を求めるに等しい、と
言わねばならぬ。
「この槌は宝うち出す槌でなし。
なまくら者の頭うつ槌」