歴史は人生の教師

高3、人生に悩み休学。あったじゃないか。歴史に輝く人生を送っている人が。歴史は人生の教師。人生の活殺はここにある。

人間の実相を語る歴史人(孔子家語)

2010年12月10日 | 人間の実相を語る歴史人
人間の実相を語る歴史人(孔子家語)

他人の欠点を責めることは知っているが
自己のそれは判らないのだ。

盗賊仲間が大勢集まって
山中で宴会を開いた。

勿論何一つ盗品でないものはない。
その中に金盃が一個あった。

一同は、その金盃を
かわるがわる廻し飲みしていたが
やがて宴たけなわとなった頃
金盃が見えなくなった。

すると泥棒の頭領が立腹して

「今まであった金盃がない。
とあっては、
 この中に泥棒がいるに違いない」

といったそうだ。

泥棒の親分が
己が泥棒であることを
忘れている様に
我々には自己を見失っては
いないだろうか。

「孔子家語」師弟の一問一答の中に

「先生世にも珍らしい
 慌て者があるものです。
 私の友人が先日
 引っ越しをしたのですが
 諸道具から猫まで運び乍ら
 自分の妻を忘れたので
 奥さんは独り空家に残って
 泣いていましたよ」
 
すると孔子は言下に

「女房を忘れる位は
 まだよろしい方だ。
 世の中には自分を
 忘れている連中が
 どれ程多いか判らない」

と答えている。

孔子は儒教の創始者、
紀元前500年ごろの人である。

孔子といえば論語と
いわれるほど有名であるが、
『論語』に劣らぬ内容を持つのが
「孔子家語」(こうしけご)である。
論語に漏れた孔子一門の説話を
編集したものだ。

「孔子家語」の中で有名なものといえば

「良薬は口に苦くして病に利あり。
 忠言は耳に逆らいて行いに利あり」

という誰でも知っている故事であろう。

良い薬は、苦くて
飲みにくいが病には効く。
忠告は、聞くのはつらいが行いを
正してくれるので為になる。
という意味である。