源信僧都⑩-2(往生要集-等活地獄)
①等活地獄(とうかつじごく)
・殺生
最初の等活地獄は、
この私達の住む世界の地下一千由旬の
ところにあって、縦横の広さが一万由旬である。
この地獄に堕ちる業因は、
生き物の命を断つものがこの地獄に堕ち、
ケラ・アリ・蚊(カ)・蝱(アブ)の
小虫を殺した者も、懺悔しなければ
必ずこの地獄に堕ちると説かれている。
また、生前争いが好きだったものや、
反乱で死んだものもここに落ちるといわれている。
ここの罪人は、
互いにいつも敵愾心を懐いて、
もしたまたま出会うと、
猟師が鹿を見つけたときのように、
それぞれ、鉄のような爪で
たがいにひっかき、傷つけあい、
ついには血も肉もすっかりなくなって、
ただ骨だけになる。
あるいは、地獄の鬼(獄卒)が
鉄の杖や棒を手にして、
罪人を頭から足の先までくまなく打ち突き、
からだを土塊のように砕いてしまう。
あるいは、とくに鋭利な刀で、
料理人が魚や肉をさくように、
ばらばらに肉を切りさく。
ところが、涼しい風が吹いてくると、
また獄卒の「活きよ、活きよ」の声で
元の身体に等しく生き返るという
責め苦が繰り返されるゆえに、
等活という。
この地獄の四つの門のそとには、
また、これに付属した、
十六の特別なところがある。
第一は屎泥処(しでいしょ)といって、
極熱の屎(くそ)がどぶどろになっている。
第二は刀輪処(とうりんしょ)といって、
両刃の刀が雨のようにふってくる。
第三はおう熱処(おうねつしょ)といって、
罪人を掴まえて鉄のかめの中にいれ、
豆のようにじっくり煎る。
第四は多苦処(たくしょ)といって、
量り知れない種類の苦しみがあるところで、
詳しく説明することができない。
第五は闇冥処(あんみょうしょ)といって、
まっ暗な処にいて、
いつも闇火(やみび)にやかれる。
第六は不喜処(ふきしょ)といって、
嘴から熱い炎をはく鳥や、
犬・狐のなく声が不気味で恐ろしく、
いつも襲ってきて、罪人にくいつき、
骨や肉をくいちらす。
第七は極苦処(ごくくしょ)といって、
ここは罪人が険しい崖の下にいて、
いつも鉄の火で焼かれるところである。
①等活地獄(とうかつじごく)
・殺生
最初の等活地獄は、
この私達の住む世界の地下一千由旬の
ところにあって、縦横の広さが一万由旬である。
この地獄に堕ちる業因は、
生き物の命を断つものがこの地獄に堕ち、
ケラ・アリ・蚊(カ)・蝱(アブ)の
小虫を殺した者も、懺悔しなければ
必ずこの地獄に堕ちると説かれている。
また、生前争いが好きだったものや、
反乱で死んだものもここに落ちるといわれている。
ここの罪人は、
互いにいつも敵愾心を懐いて、
もしたまたま出会うと、
猟師が鹿を見つけたときのように、
それぞれ、鉄のような爪で
たがいにひっかき、傷つけあい、
ついには血も肉もすっかりなくなって、
ただ骨だけになる。
あるいは、地獄の鬼(獄卒)が
鉄の杖や棒を手にして、
罪人を頭から足の先までくまなく打ち突き、
からだを土塊のように砕いてしまう。
あるいは、とくに鋭利な刀で、
料理人が魚や肉をさくように、
ばらばらに肉を切りさく。
ところが、涼しい風が吹いてくると、
また獄卒の「活きよ、活きよ」の声で
元の身体に等しく生き返るという
責め苦が繰り返されるゆえに、
等活という。
この地獄の四つの門のそとには、
また、これに付属した、
十六の特別なところがある。
第一は屎泥処(しでいしょ)といって、
極熱の屎(くそ)がどぶどろになっている。
第二は刀輪処(とうりんしょ)といって、
両刃の刀が雨のようにふってくる。
第三はおう熱処(おうねつしょ)といって、
罪人を掴まえて鉄のかめの中にいれ、
豆のようにじっくり煎る。
第四は多苦処(たくしょ)といって、
量り知れない種類の苦しみがあるところで、
詳しく説明することができない。
第五は闇冥処(あんみょうしょ)といって、
まっ暗な処にいて、
いつも闇火(やみび)にやかれる。
第六は不喜処(ふきしょ)といって、
嘴から熱い炎をはく鳥や、
犬・狐のなく声が不気味で恐ろしく、
いつも襲ってきて、罪人にくいつき、
骨や肉をくいちらす。
第七は極苦処(ごくくしょ)といって、
ここは罪人が険しい崖の下にいて、
いつも鉄の火で焼かれるところである。