バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

バネは18年目 バネの風は5年目

2013-04-15 12:21:41 | バネ
 バネ生宛に配布するプリントに毎月コラムを載せています。このコラムと「バネの風」は微妙にかぶります。それは当然でしょ。同じ人が書いているんだから。って、でもできるだけバネ生向けの方はバネネタにしぼり、ブログとは重ならないようにしています。しかし今回は4月に配布したバネのお知らせからコピペです。


 バネは18年目に入りました。数字にすると長い道のりです。仕事柄同じ事の繰り返しではないので毎年が新鮮で精一杯であるうちに、気づけば17年が過ぎていたという感じです。先日入塾申し込みに来られた方は、バネ2代目生です。つくづく長くやってきたのだなと人から知らされた次第です。
 2代目生の面接をしたのをきっかけに、これまでで印象的だった事例のいくつかをご紹介します。
 初めての中学受験生のことです。理解はできるものの定着が徹底していない子でした。常に知識はあやふや。こういう状態で受験すると、たいていはテストではほとんど得点できません。この子がどうしたら確実に得点できるようになるのか。そこで作ったのが「算数カード」です。子どもを寝かしつけてから、テーブルに教科書、問題集を広げ手書きで40枚ほどを作成しました。書き終えたら朝になっていました。翌日近所のスーパーでコピーしました。そのカードは紙やサイズを変え、手を加えながら今も継がれています。数年前からは高校受験版に取りかかり、基本編応用編に分け追加作成中です。卒業生に「あのカードは大切にしまっています」と言われることがあります。先日、主がいなくなってガランとした娘の部屋の引き出しの奥に、特別なものを大切にしまっているかのように置かれているカードを発見しました。嬉しいものです。途中このカードの量産化、商品化を考えたこともありますが、結局は今も手書きで手差しコピーの手作りのままです。
 これも初期の生徒の話。講習資料を手作りしました。一人一人の課題にそってプリントを作り、授業用、宿題用を綴じ込んで春休み中の学習スケジュールに沿って1冊の本になるようにしました。合間に休息日を入れ、その日は何もしない日と記してまっさらな紙を1枚差し込んでおきました。これを受け取った生徒の一人がお母さんにこう言ったそうです。「全部手作りなんだよ。だから、先生が作ったプリント全部やらないと。」当時のプリント群はしばらくバネで保管していましたが、震災後バネを被災者に使ってもらおうと大掃除した際、勢いで全て捨ててしまいました。今思うと惜しいことをしました。
 4月から入塾する2代目生のお宅に、初代バネ生が卒業するときに作った文集が残されていたとのことです。お金をかけない簡易なものですが、何十年も捨てられずにそこにあったという事実は重たいですね。
 いくつかつらつらと書き出したら、その全てのキーワードは「手作り」であるというのが示唆を含みますね。巷ではグローバル化がもてはやされ、時代の潮流に乗った企業の一人勝ちが目立ちます。教育界は常に少し遅れながらも時代に乗りたがります。一人が勝てば一人は負ける。誰かが得をすれば誰かが損をする。教育がこんな論理に乗り、流されてしまっているというのが今の社会ではないでしょうか。
 10年前です。こども達の思考力を高めるクラスとして「パンセ」を作りました。今のパンセは文章読解を中心にしていますが、当時のパンセは総合学習的でした。数年続けましたが、即学力に反映する通常クラスを重視してパンセは閉じました。それから数年。読解をテーマに開設した2代目パンセは今年で2年目を迎えます。これまでの経験と知恵を詰め込んだクラスであると自負しています。

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