バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

芸人の対話

2013-04-18 01:03:46 | ライフスタイル
 日本の人口は減っている。総数が減っているだけに,存在感をどんどん大きくしているのは高齢者たち。仕事をリタイアし,年金がもらえるようになって,目一杯自分のために時間を使える世代。生涯学習の講座は高齢者ばっかり。
 芸術系、語学系、スポーツ系。これらに参加しているけど、恐らくどの講座でも最年少な自分。そのなかの一つ、卓球。
 
 参加者全員と順繰りに打ち合う。始めたばかりはとにかく精一杯だったけど、月数が経つと経験者の仲間入りしちょこっと余裕が出てきた。初めて打ち合う人とはその人のレベルに合わせてコースやスピードを変えるくらいのことができるようになってきた。
 見るからに初心者風の初期おばあさん。ここは加減した方がいいと思う。「わたし、下手ですから。」とあいさつ代わりの最初の一言があるだけに、フワリと打ちやすい球を返す。こちらから出すサーブは、そんな気はないんだけど,ラケットワークがバドミントン風なのか微妙にスピンがかかるらしく、多くの初心者は打ち返せない。だから弾む球でサーブを入れる。そうやって何往復か打ち合うと,オットというコースに球が返ってきた。偶然かと思うが,次はきわどいコースに決めて来る。ナヌッ!そう来るならこっちだって、と低く打つ。少しスピードを上げる。しまったと思う高い返球に対して思いっきり打ち込んで来た。
 次の人。おじいさん。やはりこの人に対してもとにかく打ちやすい球を返す。相手を動かさないように気を使いながら同じ場所に同じ球を返す。すると100以上のラリーになる。まるで卓球温泉。そんなラリーが続けている途中、フォア側に足の長い厳しい球が時々混ざるようになる。それが決まった瞬間、ガッツポーズはしないにしても少々勝ち誇った表情をしたおじいさん。ナヌッ!じゃ、いきますよ。そうくるならこっちだって球を低くし,スピードを上げる。さっきまでの卓球温泉ラリーとは違うラリーが始まる。
 そして次のおじいさん。この人は見るからにうまそう。「私下手ですから。」と最初に譲歩しておきたくなるところを我慢してとにかく打ち合う。この人はうまいから最初から打ち込む。打っても打っても返して来る。「もっと強く打っていいですよ。」と言うから思いっきり打っても、返して来る。そしてカットを入れて来る。

 そうか、みんなは私の調子に合わせていたんだ。こちらが相手の様子を見るより先に,相手がこちらを見ていたわけですね。このくらいなら打てるかな,これは大丈夫かなとレベルを調節し、そして徐々にレベルを上げる。しばらく休んでいて再会したらほとんどのメンバーがはじめて見る人になっていたから、先方から見てもこちらは初めての人。だから新しく来た人には加減して様子を見ようと言う気配りだったようです。

 卓球講座を終えてそのまま子どもとのバドミントン。次はこちらが完全に相手に合わせる時間。
 これなら飽きないかな。これなら楽しめるかな。これならがんばれるかな。来週も挑戦しようという気になるかな。

 バドミントンを終えると次はパンセ。
 ここも子どもたちとの対話の時間。難しすぎないか,簡単すぎないかと一人ずつ確認しながら進む。自信なさそうな子にはそれとなく近くでヒントを出す。無駄話を入れながら全員の注意をひきつける。

 本日のキーワードは「対話」。
 そう言えば父の作品に「芸人の対話』というのがあったね。

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