まいにちまいにち

お母さんの毎日は いつも同じようで、
少しの素敵がチラリ。

せんせいの涙

2010-03-24 | お母さんのひとりごと
子供たちの学童の先生は とっても泣き虫です。涙もろい。
家庭環境がしっかりしていない子のことで 可哀想で仕方がない・・・と涙を流し
親の都合(仕事の都合ではなく)で学童をやめてしまわなければならない子のことで泣き
6年生を送る“巣立ちの会”では、腫れ上がった目で手紙を読んでくれる。
前日に手紙を仕上げながら、いろんな思い出に涙が止まらなくなるのだそうだ。
その先生の涙に 親たちも涙を流し、こんな先生に育んでもらえてよかった・・・と感謝する。

卒業生たちは先生が大好きで、行事のたびに大きな子達が手伝いに集まる。
決して成績優秀な子ばかりではない。
中学に入り、どうやらよろしくない友達関係にはまってしまい、髪型やジャージの着方も変わってしまった
K君は、それでも小学校の頃のように通知表を見せに来る。
成績はどんどん下がっていて、それでも先生に見せに来る。
たぶん 自分でも気付いていて、先生にお小言もらいたいのかもしれない。
Sちゃんが高校の合格発表の日、合格を喜んでいると、校舎の上のほうから声をかけられた。
2つ上のJ君が「おめでとー!」と声をかけてくれて 「先生が心配してるから早く電話しといで」って
言ってくれたのだそう。 なんかいいなーって 私は思っていて、先生はそれをすごく喜んでいた。
夜中に男女の2人組が コンビニでお買い物。大人から見るとあんまりよい格好ではない。
そしたら女の子の声が聞こえてきた。 「明日、学童いくでしょ?えっ!行かないの?明日、文集作る日だよ!」
ん?と思って見てみると、高校2年になるRちゃん。中学の頃から眉はなかったし、自転車のノーヘルで
しょちゅう捕まって、自転車禁止令がよく出されていた。でも、いつもにっこり挨拶をしてくれる子。
学童では 毎年度末に1年生から6年生までが同じテーマで書いた文章で 文集を作る。
それを100人弱分まとめてホッチキス留めするのを、時間のある保護者と卒業生たちでやってくれる。
基本、仕事を持つ親たちなので、親の参加は多くなく、卒業生たちの同窓会みたいになる。
先生は たっくさんのおにぎりを用意して待っていてくれる。
もちろん 今年は初めて長女のお花も手伝いに行ってきた。
それって 若干の憧れでもあり 小学生だった頃のお花も 中学生になってから学童を訪れることを
楽しみにしていたに違いない。
「学童の卒業生」というもうひとつのクラスが出来上がっているみたい、そんな感じに。

学童と卒業生たちのつながりは 全て書き記すことなんて不可能なんだけど 
そのみんなの信頼を一身に集めているT先生が 昨夜もまた涙目なのだ。
「もしもの時には 力をかしてくださいね」 と なんとも気弱な発言。
聞くと 学童の属する施設の園長先生との意見の食い違い・・・というか 園長先生の発言が原因。
以前 卒業生が先生を訪ねてきた。 すっごくやんちゃしてきた子なので、見た目はどこのオッサンかと
いうくらい恐い風体・・・。その子は今、定時制高校に通いながら働いている。
「先生、俺こうやって頑張ってるよ」と報告に来たらしい。 先生はそれはそれは喜んで 園長にも紹介した。
園長との会話も楽しんで帰った後、園長からの一言・・・
「今度来たら 追い返せ」
先生は こんなことがあるたび辞めたくなる・・・と言う。 園長の機嫌が悪かっただけと思おうとしてる
けれど、せっかく積み上げてきて学童がここまできたのに・・・と ぽろぽろ涙を流す。
「園長は なんで こんなことをしてるんですか?」と左奥を指差しながら なんだか怒りが込み上げてきた。
隣にいた葉っぱの友達の母には 「あっ・・・葉っぱの母に火をつけたら たいへんですよ!」とからかわれた。
私が指差したのは 隣接する○○寮。親のいない子や、親が育てられない子が集団で暮らしてる。
虐待を経験した子がほとんどだったりして 可哀想であることにはまちがいない。
荒れてる子もいれば 普通の子もいる。そんな子、ぜんぶひっくるめて育みましょうとボランティアにも
似た精神で手を差し伸べているはずなのに・・・  その発言はどうなの?と疑いたくなった。

お花の学年には見た目だけで悪そうに見える子はいないのだけれど 家で話した。
あのお年を召した園長の考えを変えるために説得してる時間は無駄なのだから
あなたたちが学童に行くときは とにかく服装に気をつけること。そしてわざわざでも園長のそばを通って
元気のいい挨拶をしてきなさい。卒業生はいい子達だなーと思われるようアピールしなさい。
それから今年卒業の6年生の親に電話。
今週末の巣立ちの会では、卒業生の親が順番に話をする時間がある。そこで話してくれないか、と。
家以外に「ただいま」と帰れる場所があることの安心感や、園長先生をはじめ学童の先生方が卒業生を
温かく迎えてくれるお陰で、道を逸れそうになったときも気付きを与えてくれる・・・と。
園長が(巣立ちの会が始まってから)その時まで臨席しているかどうかはわからないけれど
その場にいるたくさんの保護者には、そのことを耳にして理解してほしいし、何よりもT先生の勇気に
つながれば幸いだと思うから。
残念ながら 卒業生の親でない私には 出る幕がないのだ。

あー、少し すっきりした。
昨夜 お花と話しながら お花も怒っていて 「○○寮の子の方が悪い子はいっぱいいますぅー!」
と言いはじめた。 「○○寮だから仕方ないって言うのー?」って不満だらけだ。
○○寮には悪い子もいるし、いい子もいる。 親と暮らしていても悪い子もいるし、いい子もいる。
そんな当たり前のことを話した夜でした。
(あーーー、長すぎたなぁ

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2 コメント

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Unknown (こもも)
2010-03-26 14:49:31
園長先生の涙…もらい泣きしてしまいました。
素敵な、学童ですね!

こんな場所に通いながら学校に行けて、なんて幸せなんでしょう!
こんな大人に出会えて、なんて幸せなんでしょう!
新しい、険しい道に進んでも、戻ってこれる場所があるなんて、
なんて、幸せなんでしょう!!!
しかも、そこは、いつも門を開けて、待っていてくれているのですもの。
どうぞ、大切にして下さいね。

火をつけたら怖い、葉っぱのお母さん(笑)
そんな人と一緒に、活動するのって、どんなに楽しいでしょうね(笑)
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*こももさんへ (jasumin)
2010-03-29 10:16:10
先週末、巣立ちの会でしたよ。
教会で受付をしたのは、お花とお友達の中学生コンビ。
部活終了後に駆けつけるのでジャージ+ウィンドブレーカーなのですが
襟が後ろになりすぎないように、注意を促した母です。
「こんばんは」と元気に挨拶をして、園長先生を気にしながら頑張ったみたいです。

今年の6年生には生まれたときから神様のプレゼントで筋肉の萎縮の病気を持った子がいます。
10歳までに車椅子になるだろうと言われていたけれど、今でも自分で歩いています。
その子のお母さんがまた素晴らしく、先生と話して、学童の子達みんなで
病気を知るために介助犬のビデオを見て、意見の交換会をしたことがあるのです。
そのときのことも振り返りながら、そのお母さんが子供たちに話してくれて・・。
「こんなにひとりひとりをきちんと見てくれる先生には、この先出会うことはないと思うよ」
「それくらい素晴らしい先生たちなんだよ」って。
ただ、先生がおっしゃるには、最近の学童の子供たちは忙しすぎて
本当の意味で心と心がぶつかり合う付き合いが希薄になってきて
子供たちの口からも「キモ」「ダル」「ムリ」って短い単語しか聞かれないのが我慢できないって。
それで巣立ちの会目前に、6年生たちと涙ながらに語り合ったそうです。
それが伝えられたから、遅くはないと思う。よかったと思うって。

なんだか、会が終了したら園長先生がすごくご機嫌だったそうです。
「お花ちゃんにも話してくれたんですねー」ってお礼を言われたのですが
先生からも卒業生(今年は中3、高3の子たちが報告に訪れました)に話したそうです、園長先生のこと。
だから、きっと大丈夫」かな?って。そんな感じです、今のところ。
こももさん、どうもありがとう。
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