脳のミステリー

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58.脳のたんぱく質

2006-07-07 23:12:51 | Weblog
 今日は七夕、もとはと言えば中国から伝わった伝説だが、今や細長い日本あちらこちらで夏到来を知らせる年中行事である。古く万葉の時代から、どうも日本人は夏の夜空に牽牛星と織女星を探しては年に一度の逢瀬を眺めるロマンティストらしい。
『彦星の 妻よぶ舟の 引綱の 絶えむと君を わが思はなくに』
彦星が妻の名を呼び、叫んでいる。引く牛車は牛の歩みがもどかしくて、手綱は切れそうになっている。私もそのようにあなたの事を想っている。何と素敵な和歌だろう。
 折角だから、私も今夜ぐらいは梅雨の合間を縫って夜空を仰いで感傷に耽ってみたい!無理だ? そんな事はない! やっぱりダメか! 私の目はやっぱり、夜空ではなく、新聞の活字を追っている! 見つけた! 逢引の二つの星? いいえ、「脳のジャンクトフィリン」! 何それ?
 夕刊の記事に、「脳の神経細胞内のたんぱく質ジャンクトフィリンを壊すと物忘れが激しくなる」とあった。高齢者にとっては聞き捨てならない記事だ。
 脳内の神経細胞が活動する際、情報を伝達する電気信号が流れて電位が跳ね上がった後、一気に下がって休息する状態(AHP)に注目していた研究チームはジャンクトフィリンというたんぱく質を欠損させたマウスと正常なマウスで記憶力を調査していた。そして、上手く記憶するには休息が必要だ、という結論に達した。記憶活動に深く関与している脳の「海馬(かいば)」と呼ばれる部位の神経細胞で、活動後に休止する状態がなければ、記憶が保持できないメカニズムを突き止めたのだ。マウスの海馬の神経細胞では、記憶活動時に細胞内のカルシウムによる連絡で、電位上昇後いったんAHPを経て、次の記憶活動に備えることを明らかにした。研究チームの竹島教授(京大)は「海馬の神経細胞では、休まないとカルシウムが供給過多になり、刺激の繰り返しで疲れてしまうようだ」としている。
 それでは私は、人間の体に不可欠な栄養素であるたんぱく質に、私らしく触れてみようと思う。
 人間の、皮膚、骨、筋肉、毛髪、血液、更に、酵素、ペプチドホルモン、神経伝達物質等など、色々たんぱく質からは作られる。こんなに大切なたんぱく質だが、凡そ20種類のアミノ酸から作られても、その内の9種類は人間の体内で作る事が出来ないのである。
 ・・・と、いう事は、食べ物から摂取しなければならいという訳である。
 では、多く含まれる食材から、私が最も好んで食する物を書き出してみようか!
ア行では、アナゴ、イワシ、ウナギ、枝豆、お味(アレッ?)違う!アジ、参ったな!鯵・・・
カ行では、カニ、牛肉、黒豆、鶏卵、子持ちカレイ・・・
サ行では、酒もとい鮭、秋刀魚、蕎麦・・・
タ行では、鯛、鱈、チーズ、豆腐、鶏肉・・・
ナ行では、何たって、納豆!
ハ行では、ハハハ、ハトムギ茶、ヒラメ、ブリ、ほたて貝、豚肉・・・
マ行では、鮪に味噌もたんぱく質がいっぱい!
ヤ行では、ヨーグルト
ラ行では、レバーにたんぱく質がいっぱい詰っていそう!
ワーイ、ント(うんと=どっさり)せっせと、いっぱい、たんぱく質を取ろうっと!
 ちょっと苦しい書き出しだったけど・・・ 
 とにかく、ジャンクトフィリンが無くなると、神経細胞のつなぎ目で情報伝達物質の受け皿になる受容体と連携している別のたんぱく質が、細胞内器官の小胞体に引っ張られて受容体から分離してしまって、情報伝達がうまく出来なくなるんだって!
 今日の夜空は暗闇に雲は見えても、星は難しかったみたい! 何と、苦しい言い訳だろうか! でも、私は、心の中の短冊に「1秒でもいいから、痺れに休息をあげて!」と願い事を忘れない欲張り屋である。