
よく皆さん、田中先生のことを
「ベンさん」なんてお話しになるので
知ってか知らいでか、先生のほうでも
この日のパンフレットやチラシには
ローマ字記載もフリガナもなかったです。
愛と親しみを持って「ベンさん」と
呼んでくれるファンが多いなら
いっそ「ベン」で良いと思っておられるのかも
ですね、質問コーナーでもあれば
聞いてみたいところですね(笑)
「タナカベン」ってなんかカッコイイし(^^♪
(本名は「たなかつとむ」)
さてさて、本日の演目となった
「ベロ出しチョンマ」
あまり聞かないタイトルだなぁと思っていました。
電車の中でバッタリ会って会場まで
たまたま一緒に行ったバリトン歌手のО先生も
「あまり聞かない、他の人がやらないような曲ばかり」
とおっしゃったので間違いないです。
誰かがやってる所をみたことがない。
タイトルと田中先生の風貌からして
ニヒルでちょい悪な人物が浮かびました。
葉巻をくわえる姿が似合う感じ。
バリトンだしね(^_-)-☆
ところがどっこい!
襲名披露の歌舞伎役者のような和装で
舞台に現れた田中先生。
伴奏は2台の琴でした。
12才、妹思いの兄、長松と
3才、かわいくて甘えんぼうの妹、うめ
そして、両親の貧しい4人暮らし。
長松(ちょうまつ)の愛称は「チョンマ」でした。
語りが昔の言葉だったので間違えてないか
ちょっとだけ心配ですが、父親は
遠方に出稼ぎに行ってるらしかったです。
ナレーションを含む全ての役を一人で
演じられました。
不作で決まった量を上納出来なかった罪で
父親は鞍のついてない馬で曳き回されて
家族や町人達の前ではりつけにされます。
高い台に上げられたお父さんが最期にこっちをみて
にっこり笑った・・・とか
怖すぎて猫はもうこの時点でPTSDになりそうでしたが
もっと怖いのは他の罪人達と一緒に
残る家族3人ももろともにはりつけされる事です。
小さい「うめ」が、怖がって火がついたように
声を上げて泣いたので
かわいそうで、兄の長松がいつもあやしていたように
「ベロベロバア」とやったところで
長い槍で胸をグサリとつかれ
舌を出した状態のまま息絶えたことから
「ベロ出しチョンマ」というタイトルに。
刑場跡地に建てられた神社には
「ベロ出しチョンマ」の人形を今も
販売していると語られました。
そのあと、休憩が入って、田中先生は燕尾服に
おきがえになり、先生らしいシブ~イ声で歌われる
愛の歌など始まり本来なら「待ってましたー!」と
掛け声などかけたいくらいのところなはずですが、
ま~、休憩前に見たものが怖すぎて
また語りが上手いあまりにインパクト強過ぎで
正直、耳に入ってき辛かったです。
そして、この「怖かった」という生々しい感情を
私は魔笛を聴くまで引きずることに・・。
(泣)
つむじ風さんから「ベロ出しチョンマ」という
言葉を聞くとは!
あの舞台を見てない人のほとんどが御存知ないと
思っていました。