「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「9.30」-「3.11」事件 外交官、小嶋敏宏氏ご逝去

2019-09-16 04:25:10 | 2012・1・1
”スカルノ”から”スハルト”時代にかけてインドネシア問題の専門家として活躍された、外交官、小嶋敏宏氏(元ガーナ駐在大使)が亡くなられた。ご葬儀はご家族と近親者だけで執りおこなわれる。87歳のご長寿であった。

僕が初めて小嶋氏とお会いしたのはスカルノ初代大統領が事実上失脚した「3.11」政変(1966年)前夜であった。当時、ジャカルタは、前年のクーデター未遂事件(9.30事件)後の政治混乱で、連日市内はスカルノ打倒デモゆれ夜間外出禁止令が出ていた。僕ら報道関係者は、治安の悪化で単身、ホテル住まいをしていた。

小嶋氏はジャカルタ駐在日本大使館の文化担当の三等書記官で、同時に僕らプレス担当であったが、公私ともにお世話を賜った。治安の悪化から白昼でも強盗が頻発していたが、週末になると、小嶋氏は車の窓ガラスに日の丸のステッカーを張った私用車で僕らを自宅にに招き私費で奥様手造りの日本食を御馳走してくれた。市内には日本食レストランは一軒もなかった。

半世紀以上ものご交誼を頂戴してきたが、一番の想い出は外出禁止令でホテルに帰れず、一晩小嶋邸でローソクの下で麻雀を楽しんだことだ。暗闇の中で小嶋氏が大声をあげて満貫を積もったのが昨日のようだ。小嶋さん、あの世でも満貫を!合掌。




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