「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「「神国の残影 海外神社跡地写真記録集

2020-01-24 07:38:44 | 2012・1・1
神奈川大学元学長の中島三千男名誉教授から近著の「「神国」の残影」という表題の戦前、戦争中、海外各地で建造だれた神社跡地の写真集(稲宮康人 中島三千男著図書刊行会)の寄贈を受けた。

”大日本帝国時代に創建された海外の神社の現状をカメラマンの稲宮康人氏が10年以上の歳月をかけて現地に赴き撮影、中島教授が現在までに確認された1800社についてリストにし、解説している労作である。

稲宮カメラマンの取材先は旧植民地の台湾、朝鮮半島、領土であった樺太(サハリン)、旧満州国、し烈な戦場と化したサイパンなど、さらには当時大東亜共栄圏だったフィリピン、シンガポール、インドネシアなど各地にわたっている。戦争から70余り年の歳月をへてもいまだに鳥居など”残影”を残しているところもあるが、南方の地ではジャングルと化している。

神社跡地の中には旧台湾神社のように今は大厦なホテルやメダンの紘原神社のように地元民の会員制高級クラブに変容したり、北朝鮮の平壌神社のように跡地が劇場として使用されている。戦前、神国日本,神州不滅の教育を受けた僕らの世代にとっては、まさに兵(つわまのおも)の夢のあとだが、夏草だけではないのが救いだ。



 


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