日本の将来にかかわる入管法改正案の参院審議が大詰めに来ているが、政府案の実態がここにきてもはっきりしない。多分、政府与党は強引に採択し、来年4月から実施に移す意向のようだが、拙速では将来に禍根を残すだけだ。過去に日系日本人二世、三世の日本ででの就労を可能にするためにだけ行った1990年の入管法改正案の悪例がある。バブル景気による人出不足解消のため、中南米に移民した日系人に目をつけて、日本にいる親族訪問を目的に長期ビザを発行、就労を可能にさせた改正案だ。
日系二世、三世並びにその家族は今、全国で35万人いる。技能実習生と並んで、国内の単純労働の一大担い手になっているが、30年たった今でも問題が起きている。先日、新聞の社会面にシャープ亀山工場の下請け企業で、3000人の日系ブラジル人就労者に対して1000人を雇止めにしたため、ブラジル人が、組合をつくり問題になっているという記事があった。30年たって一見、日系人問題は定着したかに見えるがそうではない。数年前には日系ペルー人が埼玉県熊谷で6人も刺殺する事件もあった。
1990年の入管法改正の直後、インドネシアからも二世、三世(戦後残留した日本兵の子弟)も大挙して来日した。その支援運動をボランティアでしたが、入管法改正はまったく無責任で、政府は,二世、三世が入国後の手当てについては何も考えていなかった。技能実習制度も失踪聴き取り文書を見る限り同じである。極度の人出不足は理解しているが、受け皿をきちんと整備してから実施しても遅くない。
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