内戦がまだ続く中東のシリアから駐留米運2000人が撤収を開始するようだ。トランプ大統領は"感謝もしない他の国を守るために尊い生命と膨大な資金を費やしても何も得られない”とツィターで撤収を正当化しているが、多分、これが彼の本音に違いない。
米国は先の湾岸戦争の時もクゥエートに兵を進め、イラクに勝利した後も撤収までに8年9か月を要している。ベトナム戦争では、南ベトナムに軍事顧問団を派遣してから泥沼のベトナム戦争にはまり込み、サイゴンから完全に撤兵するまでに20余年もかかっている。東西冷戦下の国際情勢であっても、名誉ある撤退には長い歳月と人命がいることを体験している。
トランプ大統領はシリアから撤退しても、IS(イスラム.スンニ派過激組織)打倒のため他の地域では有志連合と共に戦闘は続けるようだが、なぜシリアから撤兵するのか。それは打算的な彼流の判断で、長年にわたりロシアからの支援を得ているシリアのアサド政権に対しては,これ以上支援しても”何も得られない”と判断したからであろう。
折も折、マティス国防長官が来年2月をもって辞任したいと大統領に申し出た。この辞任をめぐって、今回のシリア撤兵をはじめ、最近また出始めたアフガニスタンからの撤兵論について、マティス長官が、過去の職業軍人(海軍大将)の経験からも同意できないものがあったに違いない。トランプ流の打算外交に立てば、沖縄の辺野古移転の県民投票で、移転反対派が勝てば、何を言い出すかわからない。アメリカン.ファーストだからだ。
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