「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ガン再手術入院記(1) この恵まれた医療制度に改めて感謝

2016-01-27 06:53:01 | 2012・1・1
日本列島が寒波に襲われた「大寒」前後の2週間、僕は2週間、大腸ガン再発手術のため、東京の国立病院の病室でぬくぬくと避寒生活を送れた。戦前、僕が子供の頃の病院といえば、暗い、薬品の臭いがするジメジメとした建物が多かったが今は違う。僕がお世話になった病室は、9階建ての高層の6階にあり、病室から晴れた日には白雪の富士の霊峰も眺められた。病室は一部屋に4ベッドがあり、カーテンで仕切られており、3平方メートル近いスペースがあった。室内は採光もよく、常時、適温適湿に保たれていた。3度の病院食も美味で下手なビジネスホテルにいるよりも快適だった。

僕は多少、年金のほかに多少収入があり、後期高齢者医療保険に属しながら窓口支払い分担は現役なみの3割を支払っている。その関係で僕がこの恵まれた病室に入れたわけではない。同室の隣ベッドのお年寄りは、生活保護を受けて老人ホームでくらしている方で、看護師さんとの会話から、飲料のペットボトルの水も買えず、水道水を使用していた。はす向かいのベッドには、西アジアからの外国人がいた。日本人だけでなく長期滞在の外国人でも、入院出来るのだ。(この外国人についての同室体験は別項で紹介する)

2週間の入院費用が6ケタの数字に多少かける程度ですんだ。手術前の諸検査料を入れても、1週間ハワイへ観光旅行へ行くよりも安い。誤解を呼ぶかもしれないが、こんなに恵まれた環境の中で、高度の医療手術を受けられるのは、世界の国々の中でも日本以外にそうないのではなかろうか。世界に冠たるわが国の国民医療制度のお蔭である。少子高齢化で、この医療制度の存続が危機にあるそうだが、なんとか後世の代にも、この素晴らしい制度を存続させたいものである。

作家の曾野綾子さんが産経新聞の随筆の中で、90歳の老人がドクターヘリを要請した例を挙げ、日本の老人には利己的な年寄りが増えてきたと批判されていた。そうかといって生命がある限り、人間は医療を受ける権利はある。しかし、あまり意味のない薬を競い合って服用する悪習は改めてもよいのではないか。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お帰りなさい (suara angin)
2016-01-27 11:30:48
予定通りの退院、オメデトウございます。
病室からの眺め、雪の景色も格別だったでしょう。
寒い日が続きますので、暫くはゆっくり養生してください。
ブログがお休みの間、何かポッカリト空間が出来ました。
ブログ再開で毎朝が楽しみです。
返信する
感謝 (kakek)
2016-01-27 13:00:48
suara anginn さん
かっては武蔵野の一端だった地も、今では高層建築が遠近望めます。国木田独歩の小編に溝の国が出てきますが、こんな発展は当時では思いももよらなかったに違いありません。インフラだけでなく医療制度もこの百年で、日本人誰でもが医療を享受できるものが確立されました。先人の努力そしてこれを引き継ぐn現代人の叡智に改めて思いをはせ感謝する次第です。
返信する

コメントを投稿