昨日、今日と、富山に出かけておりました。2週連続になります。
というのも、富山の叔母の土地・建物(現在は私の名義)が、来月早々から更地にするための工事に入るという連絡が不動産屋からあったため、急遽最終的な片付け、点検に出かけたのです。こちらで使える備品などもいくつか残っていたため、引き取ってくることもその1つでした。
天気予報によれば、この先ずっと晴れマーク。太平洋高気圧が張り出して、もう真夏の気圧配置です。結局今年は本州までには梅雨はなく、北海道が梅雨入りといった方がよいような前代未聞の状態が発生。7月、8月にはひょっとしたら40度超えが常態化するかもしれません。
現在の気候変動は、単に夏場の電力事情に影響を与えるだけではなく、生態系そのものに深刻なダメージを与えますから、直接的には食物生産に大きな影響が生じる。雨が降らなければ、作物の水をどうするのかが直ちに問題になりますから、作物の生育にとっては死活問題です。我が畑でも、この高温ですぐに土が乾いて、普段より頻繁な水遣りが必要になっています。同時に思いがけない害虫が発生したり、病気が出たりしますから、今年の夏は十分に気をつけないと、とんでもないことになりそう。
いま取り組んでいる仕事などの関係で、しっかりとした作物管理ができないので、ちょっと厳しい夏になりそうです。
異常が続けば、常態となる。気候変動が続けば変動ではなくなる。感覚が麻痺し、それが普通になれば、気候変動への危機感も、真面目さも失われてしまうのでないか。そうならないように、問題を正面から見据えて、日常でも政治の場でも、常に意識し行動していきたいものです。
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2度の世界大戦を経て、血と涙、貧困と苦痛の中から生み出された国連憲章や世界人権宣言などの個々の内容が、実はいくつもの国の指導者にとっては、まさしく空文であり、自分の「価値観」でいくらでも書き換えられるものであることを、いま生起している事態が証明しつつある。ロシアのウクライナ侵略の口実もそうだし、その口実のもとで行っている殺戮も、ロシア国民の「生命、自由及び身体の安全に対する権利」として正当化されるという具合。
ロシアから割引された原油、天然ガスを、これ幸いと大量に購入する国もあれば、高騰する原油高で大もうけする国もある。
その一方で、ロシアの飛び地カリーニングラードを巡って不穏な動きが強まって、全ヨーロッパに影響が広がる懸念もある。
そもそも、今回のロシアのウクライナ侵略が、他国への明白な武力侵略であり、他国の国土の破壊と無辜の人々の殺害であるという事実にあるわけで、それを土台に解決への道筋を描けないとしたら、人類はどんな進歩もしていないことになる。むしろ、論理的にも倫理的にも退化、いや退廃化しているとすら思える。
それは、ロシアや衛星国、中国、北朝鮮などばかりではありません。日本の中で現実に起こっていることは、世界の進歩から何も学ばず、ひたすら軍事力でしか紛争は解決できないという妄想にとらわれた勢力の伸張。それを容認する国民の意識。
では、中国、ロシアに対抗する軍事力とは一体どれだけのものなのですか。この国の政治家の誰の声を世界の人々が注目して聞いてくれているのですか。
操作され加工された情報に日々接していれば、頭の中も操作され加工されることは理の当然。本来、私たちは教育によって、そうならないための学習をし、批判的精神を身につけておくべきなのに、ここでも正反対の「教育」がまかり通っている。
どこからどう正していけばいいのか。
その意味では、成功裏に終わった核兵器禁止条約締結国会議が大きな示唆を与えてくれています。
核兵器禁止条約の成立と今回の会議の成功の原動力は、世界の名もなき無数の人々の不屈のたたかいであり、努力です。
この会議の意味する物は何か。私が思うのは、核兵器が抑止力が幻想であり、核廃絶とは正反対の極にあることを明白にしたこと。日本の立場がいかに世界の本流からかけ離れたものであるのかを示したことです。
世界が一見進歩とは正反対の動きをたどっているようにみえようとも、それを本流に戻す人々が存在し、その力もまた強まっていることに深い確信を持たせてくれます。