第1回委員会が終わりました。ふ~~。
まず、池田町町長が行った委員会冒頭の挨拶を紹介しましょう。
*******
池田町は近年大変大型事業が集中し、またそれにともなう経常経費の増をふまえ大変厳しい財政状況となってまいりました。これに直面している状況であります。動きの激しい時代でありますので、常に行革に取り組んで行かなければならないわけでありますが、この財政難という大きなきっかけをいただきましたので、これを機会に皆様方のご意見をいただき、町政に生かしてこの財政状況の改善をはかっていきたいと考えております。
*******
いったいこの挨拶は何なのか。池田町の財政状況に対する、またそれを如何に克服するのかを議題に集まった委員に対する行政トップの認識がこの挨拶です。何なんですかねえ。
第1。行政の責任のカケラもみられないこと。
「大型事業が集中し」たのではありません。町長が集中させたのです。この財政危機は町長が作り出したのです。本来「申し訳ない」の一言があってしかるべきなのに、あっけらかんとして上記の挨拶です。前途が思いやられます。
町は「大型事業では継続事業が中心のように描いていますが、全く違います。町の資料でも、継続事業は社会資本総合整備事業を中心として34.6億円、新規事業は18.1億円。継続事業の中心である社会資本総合整備事業も、当初の計画13.5億円が20億を超える額に膨らみ、そのまま実施するのかどうかを委ねられた現町政が結局20億を超える額で実行に踏み切り、その検証も行っていないという事実があります。
こうした大型事業がすべて継続事業であるかのようにして問題をそらし、しかも、18億円近くの新規事業で膨らませた公債費の増加、人件費の増加などを「大型事業にともなう経常経費の増」などと自然にそうなったかのように描き、自分の責任を完全に棚上げにしたのですから、開いた口が塞がりません。
第2。「財政難という大きなきかっけをいただいた」とは何事か。その後にも、「財政難でもなければ行革には真剣にとりくまない」などと発言していますから、本当にそう思っているのでしょう。歳出カットで町民生活に影響を及ぼし、さらに今後も膨らんだ経常経費を削らなければならないのに、自らつくった財政難を生かして欲しいというような発言は、それだけで町長失格ともいえる発言内容です。
第3。「動きの激しい時代だから常に行革にとりくんでいく必要がある」。平常時なら全くその通りでしょう。しかし、動きの激しい時代だから行革に取り組むのではありません。町長ら行政幹部が作り出した未曾有の財政危機を乗り越えるための議論を必要としているのが、今回の行財政改革委員会の使命なのです。やはり、この人の頭の中は非常時という認識は皆無であり、何とか予算編成が出来れば無事その年度の仕事を終えたという程度なのでしょう。
第4。挨拶では触れていませんが、財政担当者の説明でも、後の話し合いの中でも、財政調整基金が枯渇しかけたことが財政危機の最大の問題点のように見られています。
財政調整基金は、交付税が思ったより多かったことや新型コロナの影響などで剰余金が多かったこともあって、4億円以上の積み立てをすることができた。うまくいったではないか、という程度の認識がはびこっていることです。
これは、問題の捉え方が完全に間違っています。なぜなら、平成30年頃まで40億円を超えることがなかった経常的経費(人件費、公債費、扶助費などの義務的経費の他、物件費、補助費、繰出金など経常的に支出すべき経費)が、令和元年度から44億、45億円に膨らんでしまったのです。公債費の増は、この間に急増した投資的経費によるものです。この問題が第1。つまり、歳出の中で経常的に支出すべきお金が異常にふくらんでしまったことです。
本来、投資的経費の増加に対応するために、財政調整基金を崩すことはあるにしても、あくまで一時的なもので、普通ならすぐにもとにもどす努力をしてきました。しかし、現町政になってから、経常的経費の増加のために財調を使い始めたために、億円単位の取り崩しをせざるを得なくなったのです。家の増築や自家用車の買い換えのために、貯金を取り崩したというだけなら投資的経費のための取り崩しですが、食費や教育費、光熱費などのために貯金を取り崩し始めたというのが直近2,3年の財調取り崩しの一因だということ。この事実を全く見ていません。
問題は、単に経常経費を減らせばよいという単純なものではありません。
確かに経常経費を削減することは至上命題ではあれ、投資的経費にまわすお金がほとんどなくなったり、将来のインフラ老朽化に対応出来なかったりしては、町が壊れてしまいます。バランスのとれた財政構造にどう移行するのかが問われているのです。
***********
私は、今後の審議の進め方について、いくつかの提案を行いました。
① 町が今日の財政危機をもたらした原因、問題点などを自ら明らかにすること。
② 財政危機についての共通理解を図るために、次回はそれにあて課題と財政再建の指針をとらえること。
③ 審議の柱立てについても話し合いを深めること。
④ 議論の内容を町民に知らせ、また意見を審議に反映させること。
このなかで、①については次回の議論の中心とすることになりました。
10人の委員の中で、会長・副会長に加えて2人の委員を選び、開催委員会の間で意見の調整と意見の取りまとめの部会を構成することになりました。それには私とM委員が選出され、かなり重い役割を果たさなければならなくなってしまいました。これまた気が重い。
今日の議論では、財政に対する認識がバラバラでしたので、次回の会合では、どう認識を深められるのか、難しい運営が迫られそうです。