痛車という言葉がある。
普通に読むと「つうしゃ」となるが、「いたしゃ」が本読みらしい。
いろいろな絵を貼ったり塗ったりして、にぎやかに飾り付けたクルマが痛車と呼ばれる。
二輪の場合は「いたんしゃ」、自転車なら「いたチャリ」で、電車は「いたでんしゃ」だという。
電車は「いたでん」のほうが響きがよさそうだが、板橋電車区と混同するので、ここは丁寧に言うのだろうか。
いたしゃがたくさん街を走っていると、迷彩のようにさえ見えるだろう。
持ち主は、目立ちたいのか、あまり整然と磨き上げられた車は乗っていて恥ずかしいと思うのか、それとも自分の車に貼ったり塗ったりするその作業が、誰にも文句を言われず楽しいのか、心情はよくわからない。
世の中にゴタゴタが多くなって、絵にも音楽にもゴチャゴチャが持ち込まれ、混乱雑多な表現がアート感覚のようにもてはやされるようになってしまった。
澄んだ心をむやみに掻き回す痛々しさが、痛車という呼び名にも反映されているのだろうか。
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