二つのうちどちらかに決めるというのは、人間の素朴な知恵の一つです。
見知らぬ街で歩き出す方向を決めるときにも、北か南か、東か西かという選び方が、迷い心を落ち着かせてくれます。
このどちらかを目指す思考様式も、それにとらわれ過ぎれば、わかりやすい空話に操られやすくなっていきます。
戦争は嫌だと言い続けること、あるいは言わされ続けることが、往く道の幅を狭め、役者としての円熟の極を見せずに終わってしまいそうな人も実在します。
発注の公正を装うため、入札によって見積価格の安さのみを判断基準にするという一極へのこだわりが、広域事業の全般工程の進捗を阻害することもあります。
首長の超現代的行動の影響で、計画されていた全般工程が総崩れになり、挙句の果てに不要な追加工事を組み込むことになったものの、入札に応じる施工業者がないという、三文喜劇の筋書きのような事態を招いた事例もあります。
国政と同方向の動きには、何から何まですべて反対一方という集団が、米軍基地の危険度迷惑度の減る場所への移転にも反対し、わざわざ現状を長引かせる運動を続けています。
現在の基地のうち、相当広範囲な部分を返還するための移動にさえ反対し妨害し、行政に携わる人を脅迫するという、「返せ」「返そう」「反対」と支離滅裂を超えてしまったような、集団行動を擬した個人活動を、ただ反の一字に徹して続ける人もいます。
「思い込んだら命がけ」という歌の文句がありますが、命を懸ける心意気などは見られず、命ある限り一直線の妄信から、みな抜け出しようがなくなっているのです。
とかく、一方一極へのこだわりに、ろくなことはありません。
WEB小説「北円堂の秘密」を知ってますか。
グーグルやスマホでヒットし、小一時間で読めます。
その1からラストまで無料です。
少し難解ですが歴史ミステリーとして面白いです。
北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。
読めば歴史探偵の気分を味わえます。
気が向いたらご一読下さいませ。
重複、既読ならご免なさい。
いま、秘密ものには興味が向いていないので、そのうちに。