相手の失言を引き出すための奇問連発、引っかけ質問という、こぎたない策略があります。
少し手が込んだものに、引っかけ質問のタネになりそうなことを、意思表明を装って発表する言論工作もあります。
隣国を憎み続けなければならないと教え込まれてきた政府首脳が、「未来志向への協力」などと、崇高めいた抽象概念をちらちらさせてみるという方法もとられます。
言論には言論をもって応えなければならないとすれば、これは失言誘導のよい種をまいてくれたと、バカな記者は喜んでそれを取り次ぎます。
そこに痛快な名答がでました。
「発言の一つ一つに政府としてコメントすることは控えたい」
引っかけはずしに、無答という回答方法があることに気付かなかったのは、検索依存症にかかっている記者たちの錯覚だったようです。