狂暑ばらいに、川柳づくりはいかがでしょう。
川柳は、俳句と違って季語や切れ字はいりません。
重なってはいけないなどという決まりごともありません。
言葉に表しにくい自然を相手にしなくても、道を行く人が蹴まづたことでも、話し言葉のままでつくれます。
リズムに乗せればよいのです。
決まりごとはなくても、うがち、かるみ、おかしみという、人の心のどこかに引っかかるような何かは必要です。
これは、川柳に限らずおしゃべりでも同じです。
自分の見たこと聞いたことしたことを、ずらずら続けて言ってみても、聞く人は面白くありません。
自慢話などなおさらです。
うがちは多少なりとも人の心を傷つけます。ガンガン責めてはいけません。
かるみはあっさり言えばよいだけのことです。
おかしみは面白おかしいとかきゃっきゃと笑えるようなことではありません。
笑わせようと、わざとらしくすればおかしくなくなる、これもおしゃべりと同じです。
一つの川柳に、怒る人と笑う人、あるいは顰蹙と嘲笑の両方が出てきて、それが一対百ぐらいの割合になればおかしみになりそうです。
夏向きの習作をひとつあげてみます。
むりむりの谷間づくりがスジかシワ
ばらばらの まとまり寄るが そばの名か