何度も何度も取り上げる話を、だいじなことだと思わせる、"妄信づくり"の商売が繁盛しています。
TVがその代表です。
幅広いと見せている話題の取り上げ方と、長めの放送時間を使うことから、ワイドショーと呼ばれるいくつかの番組が、そのまた代表格になっています。
いろいろな人が司会をし、コメンテーターと呼ばれるおしゃべり役にも、いろいろな人が入れ替わり立ち変わり出てくるようにも見えます。
ところがこの役目には、商売を繁盛させるのに都合のよい人しか選ばれないので、実は顔ぶれがあまり変わりません。
ワイドショーで取り上げる話題を、どの局でも一つに絞って競争のように見せかけて、それがいま、社会にとっていちばんだいじなことと、視聴する人が思ってくれれば、その番組は成功ということになります。
家事をさっさと切り上げてTVの前に座り込む主婦の方がた、他に何もすることにない高齢の方がたは、お経のように毎日同じことを聞かされれば、お互いの連絡も必要ではなく、ボーっと思っていることが共通認識になるという、奇妙な妄想グループが出来上がります。
強い意思でもなければいいではないかと思うと、それがどっこい、"民意"と呼ばれるおかしな係数データに大きな寄与率であらわれるという、困った力を持っているのです。
もう一つ困ったことがあります。
どうでもよいことをだいじに思わせて、本当にだいじなことの影が薄くなったり、まったく知らされなかったりするということです。