業種転換による経済の新陳代謝の効果などということばをときどき見かけますが、経済の新陳代謝とはどういうことなのでしょうか。
生産性の高い企業と産業が、生産性が低いままの旧態依然とした企業と産業を退場させて、国民経済全体の効率を向上させるなどと言ってしまうと、儲からない仕事は止めてもらって儲かる仕事だけをやってもらうと聞こえます。
しかし、稼げれば何をしてもよいというのは個人個人の話で、社会を構成する企業が目標とすることではなさそうです。
社会が変わっていくには進化が必要です。
ところが、変わることが何でも進化とは言えません。
進化のつもりが退化でありながら気付こうとしない、テレビボケ、ゲームバカの増加の勢いという最適な実例があります。
メーカーが作ることをやめて売ることしかしなくなるのは、ただ乗り換えただけで、気分転換の効果しかありません。
そこで仕事をしてきた人にとっては大いに迷惑です。
企業とは、仕事をするための人の集まりであることが忘れ去られています。
優れた業種転換は、お題目にもならない熟語の行列からは生まれません。
「売れない理由を経営コンサルタントに頼んで分析してもらうのではなく、地べたを這って、自分の頭で考えた」という社長さんがいます。
下請け自動車部品メーカーから家具メーカーへ、転換の可能性を見事に探り出した
杉山製作所の島田亜由美社長です。
http://p.tl/TUlI
これまでに扱っていた「鉄」という素材は変わっていません。
そこでは、「使ってもらう人の笑顔で自分も笑顔になれるモノ」をめざして、創り出す仕事が続けられています。