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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第6章−8 孔明と眠眠

2018-09-14 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「夢魔スレイヤーは、夢魔の力を持ちながら、眷属と出会えば相手を狩る宿命。今夜、お前は二人の赤子を授かる。一人はお前の孫であって孫ではない。孔明と名付けるがよい。その赤子こそ、天界の戦士が紅い龍として転生したもの。もう一人が夢魔の血を引く赤子。眠眠と名付けるがよい。」黒龍は一呼吸置いた。「夢魔スレイヤーを生み出すと分かった刻、樹里は儂の元を去らねばならなかった。我が末裔は樹里に敵対する。それも一興。樹里は自らの記憶を封印し、決戦の刻まで楽しめる敵を探しに行った」白昼夢は、そこで終わった。

 青龍が気づくと、赤ん坊の泣き声が聞こえた。
 鳴き声は二重奏に聞こえた。庭の池の中央を見ると、一人目の赤ん坊が水に浮かんでいた。背中に紅い龍のおしろい彫りの入れ墨を持つ孔明だった。
 庭では瀕死の重傷を負った白龍の妻薛妃が、苦しげに息をしていた。青龍が抱き起こすと、子供をお願いしますと言って事切れた。それが眠眠、夢の中に生きる二人目の赤ん坊であった。正確に言えば、眠りの世界こそが現実で、目覚めている時間が彼女にとっての睡眠であった。

     

 人の脳波状態は、覚醒時、レム睡眠時、ノンレム睡眠時に分けられる。
 覚醒時は、目が開いていればベータ波(13Hz以上)、目を閉じていればアルファ波(8~13Hz)が出ている。次が急速眼球運動 (Rapid Eye Movement) の略レムと呼ばれる状態で、体は弛緩し休息状態にあるが、瞼下で目が動いており脳は覚醒時に近い。最後がノンレム睡眠で「脳の休息」と言われ、4つのレベルがある。レベル1の入眠時はアルファ波が減りシータ波(4~8Hz)が出ている。レベル2は眠りに入った状態で、睡眠紡錘波とK複合波が現れる。レベル3ではデルタ波(4Hz以下)が20~50%未満で、レベル4ではデルタ波が50%以上となる。最も深い睡眠(レベル3~4)は徐波睡眠と呼ばれ、ゆったりしたデルタ波がみられる。睡眠状態に入ると徐波が現れ、90~100分サイクルでレムとノンレム睡眠が繰り返され、ノンレム後期で次第に覚醒へと向かっていく。
 深海底からだんだん海上を目指して感じをイメージして欲しい。深さが浅くなるにしたがい意識が目覚めていく。ノンレム睡眠量は最初を1とすると、次に2分の1、さらに次は4分の1となっていく。レム睡眠は、覚醒時に近いために逆説睡眠とも呼ばれ、眼球活動が活発化した状態で「夢を見ている」。
 だが、眠眠は生まれつき逆・逆説睡眠とも呼ぶべき、特異体質だった。
「逆の逆は真」であるように、彼女にとっての睡眠時が覚醒状態で覚醒時が睡眠状態だった。青龍が金にあかせて調べさせたところ、眠眠は起きている時にはゆったりしたデルタ波が出っぱなしで夢を見ている状態であり、寝ている時にはベータ波とアルファ波が交代で出ていた。生まれつきそうであったため、眠眠は自分にとっての「夢を見ている状態」を常人の覚醒時と認識しており、「起きている状態」を常人の睡眠時と認識していた。

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