のあ いちい ワールド

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進む遺伝子医療 白血病 肺がん 乳がん

2010-03-26 22:33:12 | 医療情報
遺伝子検査は、がんの再発予測にも用いられる、という記事を読売新聞で読みました。

 兵庫県の女性(19)は2009年3月、骨髄の造血幹細胞ががん化する急性骨髄性白血病と診断された。抗がん剤治療は効果がなかったが、6月に兵庫医大病院で母親(56)から骨髄移植を受け、一般的な検査ではがん細胞が見つからない「寛解」状態になった。

 しかし、白血病は再発しやすく、がん細胞が少しでも残っていれば、再び増殖する危険があるという。顕微鏡検査で見つかるほど再び増えてしまった後では、初発の時よりも治療は格段に難しい。

 そこで、同大血液内科教授の小川啓恭さん(57)は十数年前から、治療した白血病患者全員について、「WT1遺伝子」を測定しているという。
 がん細胞の増殖にかかわる遺伝子で、白血病細胞で特に増える。

 がん化した細胞が顕微鏡検査で見つかるのは、正常な細胞100個中5個程度まで増えた段階だ。これに対しWT1検査では、がん細胞が10万個に1個程度でも変化がわかるため、再発の兆しを早めにキャッチできるという。

 女性は、骨髄移植を受けた後、1~3週間おきにWT1を測定した。8月までは順調に下がっていったが、9月を過ぎたころから徐々に上昇し、11月には再発ラインまで迫ってきた。

 骨髄移植を受けた患者は、移植されたリンパ球が患者自身を異物として攻撃する移植片対宿主病(GVHD)に気をつける必要がある。このため免疫を抑える薬を飲み続けるが、量が多過ぎると、がん細胞を攻撃する力も弱めてしまう。通常は免疫を抑える薬を徐々に減らしていくが、気がつけば再発というケースもあるという。

 がん再発の兆候がみられたこの女性は、免疫を抑えるために使っていたステロイド剤の量を急激に減らし、免疫力を高めて、がんを攻撃する治療を行った。おかげで、WT1の値は今年1月には正常レベルまで下がった、と。

 ところが、免疫反応が過剰になって皮膚に発疹などが出始めたため、WT1の上昇を警戒しつつ、免疫抑制剤は再び増量。専門医による微妙なさじ加減の下、女性は現在、通院で治療し、体調は安定している。

 仮に骨髄の再移植を行うことになっても、再発後、早い段階で行った方が治療成績は良い。小川さんは「遺伝子検査のおかげで以前なら再発して手遅れになった白血病も救える可能性が出てきた」と話す。


◆WT1は細胞の増殖に関係するがん遺伝子。
 ほとんどの白血病で、この遺伝子が大量につくられる(発現)ことを見つけたのは大阪大大学院医学系研究科の杉山治夫教授(機能診断科学)。
微量の血液を採るだけで白血病細胞がつくるWT1の発現量をキャッチ。白血病細胞がどのぐらい増えてきているのかが分かるという。
 「抗がん剤が効いて、治癒しつつあるのか、効かなくなって再発しつつあるのかが手に取るように分かる」(同教授)
 血液では10万個に1個、骨髄では1万~1千個に1個の白血病細胞があれば、異常として分かるという。
 再発が早く分かれば分かるほど、次の手が打てる、と。

◇現在、WT1検査は1回2万円かかる。
保険適用に向け全国で治験が進行中だが適用まで1~2年かかりそう?
白血病以外の固形がんでもWT1の発現量が高まることが分かってきているという。
 肺がんではほぼ100%、乳がんでも80~90%で高くなり、乳がんで高い人は予後が悪いことなども分かりつつあるという。

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◆のあ いちいHP
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