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PLAN75

2023-08-19 | 映画

前から気になっていた映画「PLAN75」を見た。以下ネタバレあり。
生まれてくるのは選べないが死は選べます。安楽死を認める法が国会で決まった。超高齢社会を迎えた近未来の話。そう遠くない話です。老人が増え続けると若者の負担が増える。75歳を過ぎると自ら死を選べる。火葬し合同墓地に埋葬。最後のその日までサポートします。心配はありませんというプラン。

78歳夫と死別し独り暮らしの主人公に倍賞千恵子。まだ働きたいのに老人だからといきなり首になる。どこも雇ってくれない。家も出て行かなくてはならない…。老人には家を貸してはくれない。世間は老人に優しくはない。そんな中、友だちが孤独死する。そこで「PLAN75」を考え始める。もう十分に生きて来た…。TVで繰り替し流れる「PLAN75」のCM。爽やかな市役所職員に磯村勇人。お年寄りは淋しいのよ。優しく聞いてやってね。職員の上司の言葉だ。フィリピンからやって来て娘の治療費のために「PLAN75」の遺品整理の仕事に就く女性は、日本のこの現実を見つめている。

監督・脚本は早川千絵氏。この作品でカンヌ初め多くの賞を受賞した。
見終えて何とも言えない不快感と怒り。姨捨山か。いくら高齢社会になったと言えこんな法案を国で論議すること自体が不愉快。定年を65歳に延長する会社も多い。75歳の後期高齢になっても皆さんお元気。周りには素敵なお手本がたくさんおられます。75歳で十分生きたというのはまだ早い。死が選べないからこそ、いくつになっても元気で生きがいを持って生きて行ける社会の体制作りが国の仕事。携わって来た担当の若い男女職員の葛藤。心の揺れ。最後の主人公の決断に光が見えた。
高齢社会に警鐘。「老い」と「生きる」事を考えさせられた作品でした。先日、100歳のお元気なお婆ちゃんの新聞記事を読んだばかり。寂聴さんの「90歳になって思う事」の録画を見たばかり。100歳の千玄室さんは世界平和旅に今年も出かけますと抱負を述べられていました。
人生がいつどんな形で終わりを迎えるのかは神のみぞ知る。命ある限り生を全うする。今日も元気に!頑張って生きよう。そう思ったら、この映画は成功かもしれません。