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気ままな毎日を綴ります。

桃(タオ)さんの幸せ

2014-07-10 | 映画
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久しぶりの香港映画。
女性監督のアン・ホイの作品です。彼女は母が日本人です。
20年前は、アジアが好きで中国・台湾・香港映画にはまっていました。
アジアの映画、随分見ました。
中国・台湾もいい作品が沢山ありますね。好きな監督も多数います。
何でもない市井の人々の暮らしを描いた作品が好きです。

この映画も、桃さんと言う家政婦のお話です。
天涯孤独な桃さんは、お金持ちの梁家に住み込みの家政婦。60年4世代にわたって仕えています。
一家はアメリカへ渡り、香港に残っているのは長男のロジャーだけ。
長男役は香港の大スター、アンディ・ラウが演じています。
この映画のアンディは、派手なアクションもなし。
映画のプロデユーサーだけど、電気工事の人と間違えられるジャンパーにリュック姿。
こんなアンディもいいですね。優しい独身男性です。
桃さんとは親子のよう。
脳卒中で倒れた桃さんに、老人ホームを探してやり、息子だと言って面会に足しげく通ってくれる。
桃さんは、それが自慢で嬉しい。

ここで、香港の老人ホームの様子が描かれるが、随分お粗末だ。
個室と言っても、カーテン一枚で仕切っているだけの狭い部屋。
家族に見捨てられた人や、認知症の人。それぞれ問題を抱えている。
そこでも桃さんは優しい。


ロジャーにとって、桃さんは子供の頃からずっと側にいた人。大事な存在なのだ。
昔の写真を見て、楽しげに話す二人。
桃さんは、自分の事を一番よく知っている人なのだ。
病気持ちのロジャーは、食べ物に制限がある。
料理上手の桃さんの料理が一番。あれこれ桃さんに叱られながらも嬉しいロジャー。
二人で食事をするシーンがいいですね。

映画の完成披露パーテーィに桃さんを招待するロジャー。
とびっきりのおしゃれをして行く桃さん。きれいで輝いている。
サモハンキンポーやツイ・ハーク他が友情出演。懐かしい面々です。

自然な振る舞いのロジャーだけど、実の息子でもここまではしてくれるだろうか。
淡々と、ラストシーンへ。
桃さんのいなくなった電気のついていない部屋を見上げるロジャー。
胸が熱くなる。

この映画で桃さん役のデニー・イップはヴエネチア映画祭で女優賞を受賞ました。