姉や妹にかこまれた女系家族に育った所為か、色恋を伴なわない女性の友人が多い。なかでも、浜田山の吉永小百合(自称)こと田中真弓嬢との友情は、彼女がアイドル声優?で、僕がレコードプロデユーサーだった時代から、30年も続いている。正月に雪が2メートルも積もった福井のデパートでキャンペーンを張ったこともあった。僕が劇団を旗上げする前から自前の劇団を持っている芝居が好きで好きで堪らない素敵な女優さんだ。10数年前、彼女の為に「権三物語」を書いて上演したこともあった。アニメやナレーションで超多忙なのにアトリエ公演を観に来てくれるばかりか、劇団の若い女優達を食事に連れていったりしてくれる。
事務所に行くと、その田中真弓嬢から芝居の案内状が届いていた。11月の本多劇場「劇団岸野組」公演で母子共演を果たすという。そうなのだ、彼女も僕と同様、結婚離婚にこぶ付きだった。愛息は20歳、人生の荒波を細腕ひとつで(いや、声ひとつで)乗りきった彼女を思うと胸が温かくなった。
義理ではなく、僕も観たい時だけ、チケットを買って観に行く。彼女も僕の芝居を只で観た事は一度もない。そう云えば、創立仕立ての頃いちどチケット代を取らなかったことがあった。帰り際、彼女はチケット代の数倍をご祝儀としてスタッフに渡して帰った。
劇団の女優またか涼は限りなく田中真弓をめざしている。その事を知っている真弓嬢は、またかに会うたび、「私にいつまで少年の声をやらせるつもりだ!」と、愛情こもった檄を飛ばして帰る。
今回、「男たちの日記」で15年前に死んだガキ大将木村茂の声が幕間ごとに聞こえてくる。是非、その声も楽しんで下さい。初日まであと3日です。
事務所に行くと、その田中真弓嬢から芝居の案内状が届いていた。11月の本多劇場「劇団岸野組」公演で母子共演を果たすという。そうなのだ、彼女も僕と同様、結婚離婚にこぶ付きだった。愛息は20歳、人生の荒波を細腕ひとつで(いや、声ひとつで)乗りきった彼女を思うと胸が温かくなった。
義理ではなく、僕も観たい時だけ、チケットを買って観に行く。彼女も僕の芝居を只で観た事は一度もない。そう云えば、創立仕立ての頃いちどチケット代を取らなかったことがあった。帰り際、彼女はチケット代の数倍をご祝儀としてスタッフに渡して帰った。
劇団の女優またか涼は限りなく田中真弓をめざしている。その事を知っている真弓嬢は、またかに会うたび、「私にいつまで少年の声をやらせるつもりだ!」と、愛情こもった檄を飛ばして帰る。
今回、「男たちの日記」で15年前に死んだガキ大将木村茂の声が幕間ごとに聞こえてくる。是非、その声も楽しんで下さい。初日まであと3日です。