面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

忙中閑あり

2008年07月13日 | Weblog
 喧騒の中の静寂は集中力が作る。稽古場はアトリエ公演を1週間後に控えて慌ただしくなってきた。今日も朝から、劇団員は総出で、富士見野の倉庫から衣装の搬出や装置の出し入れに往復している。陣頭指揮の北原嬢は、今回キャサリン青田という大役もありながら、振り付け衣装ゲストへのアドバイスと、八面六臂の奮闘である。彼女の存在があって、僕は忙中閑あり、などと、稽古場近くの喫茶店で案内状書きに精を出すことができるのだ。

 昨夜は、後援会のIさんから扇風機が2台差し入れがあったり、久々にプロモーターのTさんがお見えになったり、稽古場の熱気が倍増した。24時を過ぎて最後に残ったTさんと二人、稽古場の鍵を閉めて、熱を冷ましに近くにあるインドレストランに寄った。ラッシーと妙な魚料理で長々と芝居や興業の話に熱中し、熱を冷ますどころか、眠れなくなってしまった。

 凄まじい速さで世界が動いているのに、小さなアトリエで小さな芝居作りに熱中している。押し寄せる情報は、嫌でも不安を煽る。塩山嬢が「あなたの芝居は部活では?」と言われたそうだ。その真意がどこにあろうと、僕は塩山嬢がその言葉に微動だに揺らいでいないことに感動した。僕も塩山嬢も部活を軽く見ていない。プロより烈しい部活は何処にも存在する。そんな「部活」に負けない様、僕らはプロとして更に精進しよう。言葉は交わさなくとも、僕らの想いはひとつである。

 2ヶ月に1度、4年間上演し続けたアトリエ公演のフィナーレに相応しい「ミッドナイトフラワートレイン」、塩山嬢の覚悟、が、見事舞台に満開となりましたら、どうか、惜しみない拍手ご喝采を賜わりたく願います。初日まで1週間です。