面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

千穐楽を前に

2007年07月29日 | Weblog
 12年前の初演時、自前の稽古場は無かった。僕のマンションのリビングが通常の稽古場で、本番直前に確か、友人の経営する軽井沢のホテルで合宿をした。劇団創立3年目、初の新人公演に書き下ろした「ミッドナイトフラワートレイン」は、翌年の本公演、’99年の新人公演、’06年のアトリエ公演、そして今回、5度目の舞台が今日、1週間公演の千穐楽を迎える。つい今しがた、残ったスタッフと打ち上げ用の食材を仕入れに深夜スーパーに行ってきた。いつまで続けられるか分からないが、打ち上げの料理番は僕の役目だ。
 千穐楽の幕が降り、アトリエの舞台と客席をバラシ、ささやかな打ち上げが始まる。心地良い疲労と達成感で緊張の熔けた身体に酒の廻りは早い。15年間も繰り返しているが、毎回至福の時間である。稽古期間をいれて僅か1ヶ月間のカンパニーだが、まるで戦場を共に駈け抜けた戦士のような友情を感じる。だから、いつも別れが辛い。ゲスト出演の俳優さんとはまさに一期一会だ。本当に出会いを大切にしなければ、と思う。
 今回の看板塩山みさこ嬢が、弁天マリアは6代目に譲りたくない、と言ってくれた。作品を、役をそこまで愛してもらえたことが、何よりも嬉しい。有りがたいことだ。観客動員新記録にあと10人らしい。楽しみな楽日です。