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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

映画になった昭和天皇

2006-08-14 23:30:43 | Weblog
 今日、ロシア映画『太陽』を観てきた。

 タイトルからすると、何か恋愛映画でも連想しがちだが、これが大違い。昭和天皇の戦時中から敗戦直後までの“姿”を描いたものだ。

 二重引用符で姿をくくったのは、制作側や天皇を演じたイッセー尾形が、関係者の助言は得ていたとしても、天皇の苦悩や思いといった真相を知る由もないからである。

 イッセー尾形は、有名になる前から大好きな役者で、と言うよりも、彼が日本テレビのお笑い勝ち抜き番組で最初に出てきた時から注目していた。彼ほど、年々凄みを増す役者は珍しく、毎回見るごとに新しい発見や驚きで楽しませてもらっている。今回も、さすがイッセー尾形だ。昭和天皇の喋り方から動作まで見事に演じ切っている。そして、その人間的魅力を観るものに伝える。

 銀座の小さな映画館で単館上映されているが、これが大人気。毎回立ち見が出るほどで、今日行った我々も一度入場券を買って整理券を手にした後、近くで2時間ほど買い物で時間をつぶした。

 聞くところによると、この映画の前評判は高かったものの、右翼などからの脅しがあるやも知れぬと恐れたのであろう。日本で配給する会社が中々現れなかったらしい。最終的にはスローラーナーという、特徴ある映画を専門に配給する会社が、名乗り出たが、正直な話、その会社の担当者もこんなに当たるとは思っていなかったのではないか。

 映画は、観る前は、イッセー尾形という、どちらかと言えば笑いを演技の核とする役者が演じることで、昭和天皇を笑いものにしようという魂胆かと思ったが、決して天皇を茶化しているわけではなく、現人神と言われて苦しんだ一人間としての様々な思いを見事に見せてくれている。その人間味溢れる演技に、思わず昭和天皇を可愛い男として好きになってしまいそうになるほどだ。

 こういう映画が自由に上映されない国は、やはり異常だ。今後この映画が時間をかけて全国興行されるだろうが、嫌な事件が起きないことを強く願う。

速報 小泉首相の靖国参拝

2006-08-14 21:45:57 | Weblog
 小泉首相が明日の「敗戦記念日」に靖国神社を参拝することに決めたようだ。

 私が得た情報では、15日の午前中が有力で、マスコミへの参拝時間の通知は90分前にされるとのことで、各社は早朝から取材班を現場待機させる。

 それにしても、唯我独尊、自分のことしか考えない御仁だ。これが、後の世にどんな影響をもたらすか考えてみたことがあるのだろうかと本人に会う機会があればぜひ聞いてみたいものだ。

 これまで毎年欠かすことなく参拝してきた靖国神社を、今年は、よりにもよって「8月15日」に訪れるという。確かに、小泉さんは政権に就く時、「8月15日参拝」を公約したが、それは支持者、特に戦死した元日本兵の遺族へのリップサーヴィス的なもの。遺族会のような一部の団体を除いては、そんなに真剣にとらえていなかったはずだ。それをマスコミを上手く利用して意図的に「政治化」してきた。その真意がどこにあるか、私だけでなく、多くの国民が知りたいところだ。

 これを聞いて、アジア諸国からどんな反応が出てくるか。それが、将来の東アジアにどのような影響をもたらすか、考えたことがあるだろうか。恐らく、そんなことは考えもしないだろう。私だけでなく、多くの国民が心配しているというのに、彼は今頃恐らく薄ら笑いを浮かべて、どんなスタイルで参拝するか想いを巡らせていることだろう。

 韓国の聯合ニュースによると、韓明淑(ハン・ミョンスク)首相は14日、「小泉首相の靖国神社への参拝強行が未来志向的な韓日関係を妨げている。(首相退任前に)参拝した場合、政府として強く抗議する」と述べ、参拝を牽制したという。

 韓首相はこの日、韓国人元慰安婦の女性らが暮らすソウル近郊の「ナヌムの家」を訪問した際、あえて靖国参拝に触れて発言した。

 現地からの情報では、韓首相は、戦前の日本による慰安婦らの強制連行についても触れて、「軍の慰安婦、強制徴用のようなものは、本人の意思に反し、反人道的だ」と批判。さらに、北朝鮮による日本人拉致被害者の問題について、「日本がめぐみさん問題を堂々と提起するためには、韓国に住む数多くのめぐみさんのような(日本に強制連行された)人々の問題をまず解決しなければならない」と述べている。

 こんな声を小泉さんはどう聞くのだろうか。恐らく聞こえていても、「人の、国の意見はいろいろ」とはぐらかすだろうが、「お先真っ暗」とはまさにこのことだ。韓国に増して中国からの反発は、超ド級のエネルギーを伴なって、日本列島を揺らすことだろう。それは、政治の世界だけではなく、軍事、経済面においても大きな影響が考えられる。

 私事だが明日は昨年に続いて、時間が許せば靖国に顔を見せようかと思っていたが、これでは行かずばならないだろう。皆さんも時間が許せば、子供を伴なって靖国に足を運ばれたし。ぜひあの「雰囲気」を味わい、そして、靖国問題だけでなく戦争のことを御家族で話題にしていただきたい。