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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

007?

2007-11-11 07:13:36 | Weblog
 ASE(私のやっている英会話学校)のアイルランド人教師Kが油断ならない。

 私の私生活のことを結構把握しているのだ。愛猫ジェニーのことや、前の住居の大家ともめたことなどを知っているのだ。ひょっとして、IRA(アイルランド共和軍ゲリラ)の回し者?それとも、ロンドン生活が長かったからMI5(英国情報機関部)が送り込んだ、「007」?

 確かに一見してすばしっこそうだし、その目は常に獲物を追うハンターのものだ。頭も結構切れるようで、時々額に血が流れ出てきている(ん?)。

 だが、真相は違った。種明かしは、このブログにあったのだ。彼は私に内緒でブログを読んでいるのだ。だからと言ってこのサイトに英語版があるわけではない。彼は、実は高度の日本語の読み書きが出来る。だから、このブログの内容も理解できてしまうのである。

 「僕もワイフもあなたのブログにはまってるんですよ。この前初めて読んで一挙に4,50本読みました」

 数日前、Kはニヤニヤとしながら言ってきた。そして、私の文体を褒めてくれた。お世辞にしてもおだてに乗りやすい私は思わず登る木はないかと辺りを見回した。

 嬉しいことだ。彼はまだ入社して半年余りだが、とても協力的でこちらの意を汲み取って色々建設的な提案もしてくれる。彼がブログを読んでくれていると私の考え方が伝わりやすい。

 アイルランドといえば、日本人にはあまり馴染みがない国だ。多くの人が、「アイルランド?う~ん。IRAゲリラで有名。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の国?それからアイルランド民謡」くらいの知識しかないかもしれない。

 だが、この国の人たちは、一度訪れた人なら肌で感じているだろうが、人情家が多い。私はかつて、北アイルランド紛争が吹き荒れた頃、何度も現地に足を踏み入れてその温かさに触れている。

 アイルランドの歴史を考えると、あれほど酷い目に遭いながらなぜこれほどまでにいつまでも他人に対して温かくしていられるのだろうと思ったことは何度もあるが、Kも同様だ。それに加えて、彼は日本の企業で苦労してきた。

 その彼の提案で昨夜、「英語カラオケ大会」をやった。

 小さな学校だから集まった人数も16名と可愛いものだが、そこは気心の知れた人たちの集まりだ。本当に楽しいヒトトキを過ごせた。また、彼のこういった席での気の遣い様を見ていると、日本企業でのしごかれ方の凄さがうかがい知れた。

 そんな気の合うスタッフだが、Kは今後、日本に長くはいない。彼が帰国しても何か共にできることがあればと考え中だ。