美術館にアートを贈る会

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市立伊丹ミュージアム訪問(2024.2.11) レポート

2024-02-21 17:24:36 | Weblog

美術館にアートを贈る会
市立伊丹ミュージアム訪問 レポート

日時:2024年2月11日(日)11:00〜12:00(ランチは別会場で12:15〜13:15)
会場:市立伊丹ミュージアム 展示室
参加者:12名

“美術館にアートを贈る会”では、美術館や美術を楽しむ活動の一環として、定期的に美術館を訪問し、館長や学芸員、作家のお話を伺っています。
今回は、牡丹靖佳「月にのぼり、地にもぐる」展が開催中の市立伊丹ミュージアムを訪問し、美術館では初個展の作家・牡丹靖佳さんご自身に展示会場をご案内いただきました。


高校卒業後19歳で渡米し、ニューヨークで絵画を学び9年後に日本に戻ったときに衝撃を受け、いままで当たり前に思っていた日本美術の面白さに目覚めたとのこと。その最初の作品が《フウア=シュシュ》。上下の絵に西洋と東洋が入りまじります。ここから第1章「はじまりの旅」展示が始まりました。

絵本『たまのりひめ』『おうさまのおひっこし』『たびする木馬』の原画も展示され、筆致や色合いが印刷とはひとあじ違う絵画の世界を楽しみました。牡丹さんの物語には不思議な世界が広がっているので、大人も楽しめる内容です。
第2章「森をさまよう」第3章「移ろいゆくもの」、そして地下の第4章「色と形の物語」へと続きます。

地下の展示室には、ミュージアム所蔵のエミール=アントワーヌ・ブールデルの彫像《剣を持つ兵士》が常時展示されていてそれを見た牡丹さんはなぜか可愛く見えたそうで、剣を花束に変えて二枚の物語が生み出されています。

最後の部屋には、新作の《兎月夜》。幅約6メートル、高さ約2.5メートルの大作です。表に見える世界と奥の世界が行ったり来たりして、見れば見るほど発見があって時間を忘れそうになります。

《兎月夜》

鑑賞後は牡丹靖佳さんを囲んだランチ会を開催。ニューヨークでの怖かったエピソードやペルーでのお話などで盛り上がり、参加者の皆さんと和やかな時間を過ごすことができました。
時間構成が少し駆け足になりましたが、牡丹さんの気取らない優しいトークで作品世界との共鳴が感じられ、作品理解が進みました。ありがとうございました。

 

(補足:地下の展示室へ降りる階段室には、2013年に当会が寄贈した今村源《シダとなる・イタミ2013》が常設展示されていて皆さんに鑑賞していただくことができました。)

《シダとなる・イタミ2013》