美術館にアートを贈る会

アートが大好きな私たちは、
市民と美術館の新しい関係の構築をめざしています。

伊庭靖子作品 特別観覧会 ご報告

2009-10-13 16:04:39 | Weblog
過日実施いたしました、伊庭靖子作品特別観覧会のご報告です。
参加してくださいました皆様、本当にありがとうございました。
今後も作品と向き合えるような機会を作って参りたいと思いますので、今回ご都合が合わなかった方も、何卒宜しくお願い致します。

日時:2009年9月27日(日) 11:00~
訪問先:滋賀県立近代美術館


汗ばむような陽気のなか、滋賀県立近代美術館を訪問しました。
副館長よりご挨拶を頂いたあと、プロジェクトを担当してくださっている学芸員の山本さんより、滋賀県立近代美術館のコレクション方針についてのレクチャーをしていただきました。





その後、さっそくスタジオに移動。
今日のために、伊庭靖子さんの油画三作品と、それぞれの作品のモチーフとなった清水卯一さんの陶芸作品とを並べて展示してくださいました。作品と対面した瞬間、一同は大盛り上がり!




この三作品は、2007年の滋賀県立近代美術館での展覧会「ダイアローグ コレクション活用術vol.2」に伊庭さんが出展される際に制作されたものです。
作家に出されたお題が「館のコレクションと対話をして展覧会を作ってください」というもの。
そこで伊庭さんは、館のコレクションとして所蔵されていた清水さんの作品と向き合い、制作をされました。 ただ実際の展覧会では、伊庭さんの作品と清水さんの作品はあえて並べて展示せず、両者の関係については気づく人だけが気づく、というものでした。こうして並んでお披露目がされるのは、今回の観覧会が初めてというわけです。




展覧会と違った状況ではありましたが、このようにしてみると、それぞれの作品の質感、素材や色の深み、伊庭さんが清水さんの作品のどんな部分に魅力を感じられたのか、それを踏まえながらどのような表現を目指されたのか・・・といったことがかいま見られ、学芸員の方々を交えて様々な感想が飛び交いました。





参加者の皆様は、身を乗り出すようにして鑑賞される方、実際の展覧会に行かれていてその時との違いを楽しまれる方など、それぞれの視点で楽しんでくださっていました。

観覧のあとは喫茶スペースに移動し、作品の感想を話し合いました。実際に作品を前にして、これらの作品に出会えた嬉しさを共有することができましたし、皆様から、美術館の現状に対して問題意識を感じている、というご意見をいただきました。

そういったご意見について、当会の活動が具体的な関わりの道筋をつくっていければ、と強く願っております。

今後、プロジェクトを本格的に進めて参りたいと存じます。引き続き皆様のご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。