まずは中山のダービー卿CT。勝ったのは、ロードカナロア産駒タイムトゥヘヴン。スタート後、最後方待機を選択して脚を溜めます。逃げたリフレイムがつくった前半のペースが34秒2、その後も淀みないペースのせいで、前にいる有力馬たちが苦しくなります。直線では、まだ最後方。同じく後方に待機していたヴィクトワールピサ産駒フォルコメンが一足早く前に出て、そのまま一気に差し切ろうとしたその時、さらに外側からタイムトゥヘヴンがフォルコメンを捉まえて勝利。良馬場の勝ちタイムは1分32秒3。2着はフォルコメン、3着には中団待機から抜け出していたニューアプローチ産駒ダーリントンホール。
どちらかと言うと府中向きと思われていたタイムトゥヘヴンの勝利によって、安田記念でも面白い存在が現れたことになります。本番でも無視は危険でしょう。
それにしても、種牡馬ロードカナロアの勢いが止まりません。
そして、GⅠ大阪杯。勝ったのは、ディープインパクト産駒の5歳牡馬ポタジェ。好スタートから5番手追走へ。前は、逃げたジャックドールにアフリカンゴールドが競りかけて、予想通りのハイペースに。それを見ながらレースを進める絶好のポジションを取りました。すぐ前には、昨年の勝ち馬レイパパレが居たので、この馬の仕掛けと同じタイミングで前に進出。
直線では、逃げ粘るジャックドールをレイパパレが早めに交わして先頭に立ったところを、猛然と追い詰める。後ろからは、アリーヴォとヒシイグアスが迫ってきますが、レイパパレをクビ差交わしたところがゴール。2着はレイパパレ、3着はアリーヴォ、4着ヒシイグアス、5着は逃げて粘ったジャックドール。
勝ったポタジェは、嬉しい重賞初制覇をGⅠで飾ることになりました。これまでも金鯱賞3着、毎日王冠3着、昨年の天皇賞秋6着とGⅠ級の力は見せていましたが、今回は全てが上手くいきました。良血ですし、種牡馬への道が開かれたと思います。
2着はレイパパレ。14番枠から4番手の位置を取って、ジャックドールを競り落しての2着ですから、1番強いレースをしたのは、この馬かもしれません。3着は、10番手から追い込んできたドゥラメンテ産駒アリーヴォ。4着は7番手から馬場の外を差してきたハーツクライ産駒ヒシイグアス。この2頭も力を示したと思います。
問題は、エフフォーリア。9番手から馬群に沈んだのは、まずは体調面が十分でなかったこと。初輸送も堪えた。そして、4歳になって背負う重量も変わった。何よりも、挑戦者の立場から、防衛する立場になったこと。いずれにしても、「神話」が崩れてしまった感があります。3歳時の激走で燃え尽きていなければよいのですが‥。十分に立直してからの復帰を望みます。
最後は、ジャックドール。これは、金鯱賞から中2週だったことと、アフリカンゴールドに終始被せられたことが敗因だと思います。この馬の潜在能力は、まだこんなもんではありません。こちらも出直しを期待したいと思います。