ヘコまされた被害者&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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滋賀大論文盗用事件~これも学校事故?

2014年06月04日 21時34分46秒 | 相続
毎日新聞によると
 『滋賀大教育学部の男性元教授=諭旨解雇=に研究論文を盗用され、大学の対応も不十分だったために自殺に追い込まれたとして、教育学部の女性教授(当時51歳)の遺族が元教授と大学に計約1億円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こしたことが分かった。提訴は4月24日付。
 訴状によると、元教授は2009年2月、女性教授が発表した論文を無断で複製して別の論文として公表。女性教授の申し立てを受け、大学側が調査委員会を設置した。当初、元教授は調査委に「女性教授の同意があった」と主張し、大学側も「元教授がうそをつくはずがない」などとしていた。最終的に大学は12年2月、元教授の盗用を認定する調査結果を発表し、同年5月に元教授を諭旨解雇処分にした。
 女性教授は長期にわたる心理的負担から自律神経失調症を発症し、同年9月に自殺した。自殺前の約1年半は問題の対応に追われ、1日の睡眠時間が3時間前後だったという。遺族側は「心理的負荷がかかる出来事が複数発生しているのに対応が取られず、心理的疲弊に追い込まれた」と訴えている。
 滋賀大広報室は「弁護士と対応を協議中」、元教授の代理人は「対応は今後検討する」としている』そうです。
 これも学校事故の一つなのでしょうか。
 民事裁判では,この論文盗用と被害者の自殺との相当因果関係,つまり,盗用者が被害者の死についての賠償責任まで追うのかが争点となるのでしょう。しかし,論文盗用と被害者の死との条件関係(アレなければコレなしの関係)は否定できず,それなら,盗用者の刑事責任を問題とすべきだと思います。もちろん,ここでも被害者の死の予見可能性が争われることになりますが,少なくとも,傷害(自律神経失調症)の予見は可能であったことは否定しようがないので,過失傷害罪での処罰はあってよいと思います。
 いずれにしても,遺された家族の怒りと悲しみが何らかの形で昇華されるようにしてあげて欲しいです。
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生活保護受給者

2014年06月04日 13時55分49秒 | 相続
毎日新聞によると
 『厚生労働省は4日、今年3月時点の全国の生活保護受給者数が217万1139人だったと発表した。これで2013年度は月平均で216万1606人(概数)となり、12年度の213万5743人(同)を上回って3年連続で過去最多を更新した。昨年度の月平均受給世帯数も過去最多を更新し、159万1804世帯(同)となった。厚労省は「経済情勢の改善もあり増加傾向は緩やかになった。頭打ちは近いのでは」と分析している。

 今回発表の今年3月統計は、受給者数、世帯数とも過去最多。世帯数は初めて160万を超える160万2163世帯だった。
 世帯の内訳では、高齢者世帯が最も多く74万4355世帯(46.7%)。続いて、働ける年代層を含む「その他世帯」28万6003世帯(17.9%)▽傷病者世帯27万2356世帯(17.1%)▽障害者世帯18万3018世帯(11.5%)▽母子世帯10万8399世帯(6.8%)。
 都道府県別の受給者数は、大阪府の30万3659人と東京都の29万4909人が突出して多かった。都市別に公表した政令市と中核市では、大阪市が15万850人と最多。札幌市7万4950人▽横浜市7万583人▽名古屋市4万9393人▽神戸市4万9038人--と続いた。
 受給者数は、戦後の混乱期の1951年度の204万6646人が長らく最多だった。08年秋のリーマン・ショックを機に増加傾向に拍車がかかり、月別では11年7月、年度別集計では11年度にこの記録を更新していた。
 生活保護費の14年度予算は国と地方で計約3.8兆円にのぼり、財政を圧迫している。政府は日常生活費にあたる「生活扶助」の切り下げを昨年8月にスタートしており、3カ年で最大10%切り下げる。家賃にあたる「住宅扶助」は来年度予算からの減額を視野に見直しを進めている』とのことです。
 最近,生活保護受給者への風当たりは強まるばかりです。しかし,そもそも国を作ったのは,困ったときは互いに助け合っていこうとの精神がその根底にあったはずです。今,生活保護を受けている人はホントに困っている人たちなのです。だったら,助けてあげましょう,自分は生活保護を受けることなく健康で働けることを喜びつつ。
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