虹の彼方に ~ over the rainbow ~

好きな音楽、映画、本など、気ままに綴っているblogです♪ about the musics,films,books.

地球ドラマチック「町中みんなで合唱団!~イギリス 涙と笑いの猛特訓~」 前編。

2010-12-18 07:22:50 | Irish / Classic musics


ご訪問してくださり、ありがとうございます


            


NHK 教育で、2010年9月30日に放送された、

地球ドラマチック 「 町中みんなで合唱団! ~ イギリス 涙と笑いの猛特訓 ~ 」

という番組を見て、えらく感動したので、書いてみようと思います


ロンドン交響楽団のコミュニティー合唱団は、もともと、同じ合唱好きの10人が集まって結成した、

アマチュア合唱団だった。それが、今では、堂々たる合唱団になった。

指揮者を務める、 ギャレス ・ マローン は、こうした、小さな合唱団を育てることに、情熱を注いでいる。

ギャレス  「 歌を歌うということは、特別な人たちがすることだと、思いこんでいるのです。 

        どんな時でも、歌は、なんらかの形で歌われています。でも、今のイギリスは、

        地域ぐるみで歌おう、という想いを失いかけています。

        ソロで歌うことに自信のある人、カラオケをやりたい人、

        テレビに出たり、 CD を出したりする人だけが歌う、

        そんな考え方は、間違っています。誰でも、どこでも、地域活動として歌うべきです。

        地域と合唱は、切っても切れないものです。 」       

これは、そんなギャレスの想いを、ある町で実現するまでの物語 ( 実話 ) だ。

コミュニティー合唱団作り請負い人のギャレスのもとには、

いつも、様々なコミュニティーから依頼が来る。

その中で、ギャレスが、特に目を引いたのは、

低所得者向けの巨大な団地のある、サウスオキシーに住んでいる、

パム ・ ワイズ 牧師 からの手紙だった。サウスオキシーには、目立った文化活動がなく、

「 歌を、歌いたかったら、他の町に行くしかない 」 と牧師は訴えていた。

確かに、こういう所に合唱団は生まれない。

ギャレス  「 そんな町にこそ、合唱団を作りたいんです。 」

サウスオキシーは、ハートフォードシャー州の南西部にある町で、

ロンドンの北西およそ16 km のところに位置している。

ロンドン大空襲で、焼け出された人たちに、住まいを提供するため、戦後作られた。

住民は、およそ1万2千人、商店街と6つの小学校がある。労働者階級が住む地域で、

娯楽といえば、パブが5つ、サッカーチームとボクシングジムが1つずつ。

しかし、昔のような活気は、どこにもない。

A さん  「 とにかく活気がないんだ。にぎやかなのは、パブくらいじゃないか。 」

B さん  「 まったく何もないところだよ。他の町の人は、見向きもしないし、

       お金も、別のところに流れていっちまう。 」

C さん  「 私も、町の人たちみんなも、 “ 見捨てられた ” という気持ちを抱いています。 」

子供  「 サウスオキシーに住んでいる、というと、バカにされるんだ。そんなの間違ってるよね。 」

ギャレスに与えられた時間は、8か月。その間に、合唱の楽しさを、住民に知ってもらうことが目標だ。

今のサウスオキシーの人たちには、日々の楽しみが、ほとんどない。

( 商店街の店の中で、ギャレスと町の人の会話 )

D さん  「 この町は、救いを求めているんだよ。

       みんな、もっと、自信をもって、胸をはって暮らせるようにね。 」

E さん  「 私は、この町に住んで、60年になるが、何も変わらないんだ。何ひとつね。 」

D さん  「 昔から、ずっと同じで、変化がないのさ。 」

E さん  「 町のことなんか、誰も気にかけていない。住んでいることを、誇りにしたいよ。 」

D さん  「 それには、みんなをまとめてくれる誰かが、必要なんだ。 」

町のいろんなところを周って、人々から話しを聞くギャレス。

ボクシング ・ ジムに通う少年の話。

「 ここは、ろくなところじゃないよ。退屈だから、この町が好きじゃない。 」

しかし、ジムに通う人々はみな、熱心に練習をしている。

ギャレス  「 このジムの少年たちは、目的意識を持っていて、感心させられます。 」

ジムのオーナー  「 でも、ここに来る前は、こうじゃなかった。ボクシングを通じて、

           自信をもち、社会のルールを学んだのさ。みんな、いい子だよ。 」

ギャレス  「 あなたのやっていることと、僕が合唱団でやろうとしていることには、共通点があります。

        人を集め、大切な目標を、彼らに与えたいんです。 」

ジムのオーナー  「 暴力も減るかな? 」

ギャレス  「 ええ、そう思います。 」

( 取材しているスタッフに )

ギャレス  「 この世で最高の町、とは言えなくても、最悪の場所ではありません。

        確かに、多くの人々は、チャンスに恵まれていませんが、熱い心と魂を持っています。 」

ギャレスは、合唱団の練習場を確保するために、まず、小学校に向かった。

そして、町中を歩いて、団員をスカウトするために、人々に声をかけるが、答えは 「 No 」。

ギャレス  「 みんな、他の人の目が心配で、しりごみしています。 」

町のサッカーチームに行き、勧誘するが、そこでも 「 No 」。

ギャレス  「 選手のみなさん、ここにチラシを置いておきます。今日の勝利、おめでとうございました! 」

メンバーが歌うことに、積極的なクラブが、一つだけあった。

そこは、年金受給者専用のサロン。建物の外まで、みなの歌声が聴こえてくる。

そこで、素晴らしい歌声を披露してくれた、フレッドは、4週間前に、妻 ベティを亡くしたばかりだった。

合唱団の話は、悲しみをまぎらわすためにも、ちょうど良いタイミングだった。

ギャレスは、10日間かけて、サウスオキシーのいたる所に、団員募集のポスターを貼り、

チラシを、1000枚以上配った。

いよいよ、練習の初日を迎えるが、はたして、何人、集まるのか?

小学校の教室を、団員の控室に、講堂を練習場に借り、ギャレスは、人々がやって来るのを待ち受けていた。

すると、次々と、老若男女、様々な町の人々がやって来た!!

ギャレス  「 こんなに来てくれるなんて、信じられないなあ 」

( ギャレスと集まった町の人々 )

ギャレス  「 みなさん、こんばんは!サウスオキシー ・ コミュニティー合唱団へ、ようこそ!

        こんなに大勢の人に集まっていただいて、今、最高に感激しています。

        みなさんが、合唱を心から愛し、メンバーであることに、誇りをもてるよう、

        がんばりましょう!! 」

      「 こちらが、主旋律、こちらが、ハーモニー、あちらは、男性です。 」

とギャレスが言うと、町の人々が、みな、席を移動しはじめた。

( 取材しているスタッフに )

ギャレス 「 信じられません。こんなに集まるなんて … 。年齢や性別にも、偏りがなくて、

       いかにも、コミュニティー合唱団という感じです。子供とその両親、お年寄り、

       先生たち、この町を形作っている人たちが、たくさん集まっています。

       問題は、これからです。 」

参加者は、200人近く。合唱団としては、イギリス屈指の大所帯となった。

まずは、有名な、ビーチボーイズの 『 バーバラ ・ アン 』 という曲を、みんなで歌う。

メンバーのみなさん  「 バ ・ バ ・ バー  バ ・ バ ー ラ ・ アン♪ 」

みんな、恥ずかしそうだが、とても楽しそうだ。みなが、歌い終えると、

ギャレス  「 合唱団、誕生です! 」

みな、笑顔で、うれしそうな町の人たち。

( 取材しているスタッフに )

ギャレス  「 信じられません。こんなに大勢の人が、集まってくれたなんて!

        これほどの人数がいると、現在の合唱団というより、ヴィクトリア朝時代にあった、

        大規模な合唱団に、近いものになります。とても、興奮していると同時に、

        圧倒されてもいます。 」

2回目の練習。

多くのメンバーが、これまで、歌とは、縁の無い生活を送ってきたが、

合唱団は、意外なほどのまとまりを見せている。

ギャレスは、後ろで歌っていた、新しく来たメンバーが、素晴らしい歌声を持っていることに気付いた。

ディー  「 メンバーが5人しかいない、別の町のゴスペル合唱団で、歌っていたの。 」

ギャレス  「 あなたのような、歌に自信のある方にも、参加してほしかったんです。 」

『 ハイヤー ・ アンド ・ ハイヤー 』 を練習する合唱団。

優れた歌唱力をもつディーだが、合唱団への参加は、勇気のいることだった。

2年前に、サウスオキシーの公営住宅に、引っ越してきて以来、ずっと、

地域となじめないと、感じてきたからだ。

ディー  「 私は、サウスオキシーに来て、はじめて、差別というものを経験しました。

       引っ越して、早々、家の裏にたむろしていた若者が、窓に石を投げつけて、

       私たちをからかったんです。仕事帰り、子供たちと車から荷物を降ろしていると、

       10人くらいの若者が、ニヤニヤ笑いながら歩いてきて、

       私たちを侮辱したこともありました。すごく、腹が立ちました。

       この町での生活は、私たちにとっては、決して楽しいものじゃないんです。 」

( ギャレスは、練習に顔を出さなくなっていた、ジムのオーナー、マックスが経営するパブで話す )

マックス  「 自分の知っているやつが、5人しかいない。

        この合唱団は、サウスオキシーを代表しているとは言えない。 」

そこで、ギャレスは、合唱団の練習時に、

ギャレス  「 みなさん、こんばんは!お知らせがあります!

        そもそも、僕が、サウスオキシーにやってきた目的は、

        ここを歌う町にして、何か誇れるもの、地元を愛するよりどころを、

        この町に築くことでした。

        今、ここにいらっしゃるみなさんは、そのことをご存じだと思います。

        でも、ここに、いない人は、それを知りません。そこで、提案です。

        11月21日に、第1回公演を、行いましょう! イェ~~~!! 」

メンバーのみなさん  「 パチ パチ パチ パチ ( 拍手 ) ! 」

ギャレス  「 ありがとう。ただし、現在、サウスオキシーには、合唱団全員と観客を、

        収容できるような広い会場がありません。

        そこで、ちょっとしたアイデアを、思いつきました。

        デビューの舞台は、商店街です! 」

メンバーのみなさん  「 あはははは~ ( 爆笑 ) ! 」

ギャレス  「 何か、ご質問は? 」

F さん  「 雨が降ったら? 」

ギャレス  「 決行です! 」

準備期間は、2週間しかない。

ギャレス 「 あせらなくて、大丈夫!これまで、やってきたことに、自信をもって!

       お疲れさま。 」

メンバーの カーリー ・ ハービー は、幼い娘の乗ったベビーカーを押しながら、

さっそく、周りに声をかけはじめた。

カーリー  「 たくさん人を集めなきゃならないの。あなたは、顔が広いから。 」

カーリーの友人 A  「 わかった。まかせてよ。 」

カーリー  「 ネットでも、何でも、とにかくほめまくって! 」

カーリーの友人 B  「 私だって、ちゃんと行くわよ! 」

カーリー 「 口先だけじゃダメよ。必ず見に来てね! 約束よ!絶対に来て。 」

( メールで友人に知らせまくるカーリー )

カーリー 「 初めての公演があるの。よかったら、来てくれない? 」

( 取材しているスタッフに )

カーリー ( 2人の子供をもつ母親 )  

      「 いっとき、母親業を離れて、自分自身でいられるのが、うれしいんです。

        この6年間、仕事といえば、子供たちの世話と家事だけ。

        もちろん、子供たちは、何よりも大切な存在だけど、時には、

        母親じゃない自分に戻りたいの。 」

      「 単に、1メンバーというだけじゃなくて、合唱団の成功に、積極的に力をかして、

        あのメンバーの中で、知られた存在になりたいんです。それを、家族や友達にも、

        私を誇りにしてほしい、って思っているの。 」

コンサートで歌う曲は、 『 ハイヤー ・ アンド ・ ハイヤー 』 。

しかし、合唱団は、なかなか、ソウル ・ ミュージックの感覚が掴めない。

本番まで、あと、1週間だが、ソロの担当者が、決まっていない。

ゴスペル合唱団で、歌っているにもかかわらず、ディーが手を挙げなかったが、

ギャレスにとっては、彼女が、頼みの綱だった。

ディーに、 「 歌ってみない? 」 と声をかけるギャレス。ディーのソウルフルな歌声は、文句なしだ。

ギャレス  「 彼女が、ソロでいいですね? 」

メンバーのみなさん  「 ( 大拍手 )!! 」

いくら良い歌を歌っても、聴く人がいなければ、イベントは、台無しだ。

メンバーは、観客集めにも、全力を尽くす。

( メンバーが町の人に )

メンバー  「 こんにちは!この先の商店街で、土曜日の11時から、コンサートが開かれます。

        この町の、サウスオキシーの合唱団です! 」 

( コンサート当日の集まりで、メンバーたちに )

ギャレス  「 音響的には、かなり、やっかいです。電車が通るし、

        近くの軍事基地から、ヘリも飛んでくるでしょう。

        暴走族があらわれて、クラクションを鳴らすかもしれません。

        しかし、何が起きても、歌い続けましょう!

        誰かが、僕をつまみ出そうとしてもです ( 笑 ) 。

        とにかく、歌い続けるんです。

        僕と目が合って、微笑んだら、微笑み返してください。

        それが、みなさんの歌声を、より美しいものにします。

        お客さんたちに、我々は、合唱が好きなんだ、というところを、見せつけるのです!

        堂々と振る舞いましょう!! 」

合唱団が、商店街の即席会場に、並びはじめると、たちまち、お客さんが増えてきた。

いつもは、人けのない商店街に、500人を超える観客が、詰めかけた。

( 町の観客たちへ、挨拶の言葉を述べる )

ギャレス  「 みなさん、こんにちは!こんな寒い日に来てくださって、心から感謝しています!

        どうか、あたたかく、受け入れてください。この合唱団こそ、みなさんの代表、

        サウスオキシー ・ コミュニティー 合唱団だからです。 」       

( 振り返り、メンバーに、 「 笑顔でいてよ 」 とジェスチャーで伝えるギャレス ^ ^ )

そして、ギャレスの指揮とともに、 『 ハイヤー ・ アンド ・ ハイヤー 』

( 詩 ・ 曲  G ・ ジャクソン / R ・ マイナー / C ・ スミス ) の合唱がはじまる。

ギャレスにうながされ、手拍子をして、もり上がる観客たち。

ギャレス  「 よくやった! 素晴らしい! 」

最後まで、思いっきり、歌い切り、さわやかな笑顔に包まれるメンバーたち。

それぞれ、メンバーが歓喜の言葉を伝えている中、ディーの言葉が、印象に残った。

ディー  「 集まった人たちの顔を見たら、笑顔がこぼれていて、

       誰も、しらけた感じはありませんでした。

       サウスオキシーが、一つになったんです。

       それと、こんなに長い時間、商店街で過ごしたのは、初めて ( 笑 )! 」                   




( 制作 Twenty Twenty Television イギリス 2009 )




The Choir: Unsung Town - Episode 4 Preview Rehearsal - BBC Two





The Choir: Unsung Town - Shake Ya Mamma Episode 2 Preview - BBC Two





The Choir: Unsung Town - Singing Lesson Episode 2 Preview - BBC Two





( 動画が消えていましたら、ごめんなさい




なんて、素晴らしい合唱団なんだろう ! 

こんな素敵な、合唱団作り請負い人が、日本にもいてくれたらいいなあ




            


読んでくださり、ありがとうございます

 blogram投票ボタン width= ブログラムランキング参加中!


最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。