朝いちばんにホテルでの朝食をすませホテルで貸してもらった自転車にとび乗って昨日のケーブルから降りてきた坂道のふもとまで来た。
寝ている間にひとしきり雨が降ったのだろうか石畳の凹みにはまだ雨がずいぶん溜まっていた。
坂の中腹まで登ったころには柔らかだった朝日も射すような暑さに変わりはじめ、また昨日のようにバテちゃうんかなぁ…とゆっくり登りつづけた。
坂道を鋭角に作ってあるのは傾斜をすこしでも少なくする工夫だろうか。
曲がりきった民家の軒先に清々しいライムグリーンの草木が植えられていた。
名前は知らないが以前もどこかで見た草木だった。
丸くこんもりとした葉先の束の中には昨夜からの雨粒がまだ閉じこめられているように朝陽に反射して虹色に光っていた。
ほんとうに虹色だったのでおもわずSEAGULLに詰めたカラーで撮ろうとしたが、思い直してモノクロームフィルムが詰まったローライに持ちなおした。
その雨粒があまりにも綺麗なので、すこしくどい色を出すおもちゃカメラのSEAGULLではあざとくなるように思えた。
ローライのファインダーで綿密にピントを合わせていると、もうすっかり虹色は頭のなかから消えて美しい幾重の草筋と実のように光る雨粒が目に映っていた。
寝ている間にひとしきり雨が降ったのだろうか石畳の凹みにはまだ雨がずいぶん溜まっていた。
坂の中腹まで登ったころには柔らかだった朝日も射すような暑さに変わりはじめ、また昨日のようにバテちゃうんかなぁ…とゆっくり登りつづけた。
坂道を鋭角に作ってあるのは傾斜をすこしでも少なくする工夫だろうか。
曲がりきった民家の軒先に清々しいライムグリーンの草木が植えられていた。
名前は知らないが以前もどこかで見た草木だった。
丸くこんもりとした葉先の束の中には昨夜からの雨粒がまだ閉じこめられているように朝陽に反射して虹色に光っていた。
ほんとうに虹色だったのでおもわずSEAGULLに詰めたカラーで撮ろうとしたが、思い直してモノクロームフィルムが詰まったローライに持ちなおした。
その雨粒があまりにも綺麗なので、すこしくどい色を出すおもちゃカメラのSEAGULLではあざとくなるように思えた。
ローライのファインダーで綿密にピントを合わせていると、もうすっかり虹色は頭のなかから消えて美しい幾重の草筋と実のように光る雨粒が目に映っていた。