あなたを見つめて。。 monochrome life

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気分はhalfに        Olympus Pen FT 42mm f1.2 ND4 EG

2011年07月29日 00時46分13秒 | 気分はhalfに PEN-FT






















































この4ヶ月のあいだ、カメラを触ったのは2回ほどで、フィルムの入れ方も忘れるくらい、

仕事を頑張っていた。(笑)

なんとか仕事も軌道に乗ってきて、まともに昼飯を食べられる時間も出来るようになって、

仕事帰りにヨドバシカメラで、前から気になっていたPENデジタルを触りに行った。

う~ん、なんともこのデザインはカッコいいなぁ♪

何度かピントを合わせてシャッターを切ってみるが、どうもしっくりこない?

そうかPENのあの暗くてもんやりとした小さな縦のhalfFinderがないんだ。

帰ってPEN-FTを引っぱりだして2年ぶり?にシャッターを切ってみたが機械式なので、

なんとか不具合はなさそうだった。

ただ僕のペンは露光計が壊れていて、シャッターを切るたびに一度シャッター目盛を、

バルブにもどさないと針が振れない。

一度、整備に出したがすぐに同じ箇所が壊れて、もうあきらめていた。

シャッターを切ったり、そのまま1分ほどすると、また針はレッドゾーンに隠れてしまう。

マウントもぐらついていてボディとレンズをしっかり持って構えないとレンズだけ外れて、

落ちそうになる(泣)

それでも何回か空シャッターを切っているとイメージが湧いてきて、また無性にハーフサイズが


撮りたくなってくる。。

そうだペン用のタイトルを、何度か使い回しているので、あのイメージを頭に浮かべながら、

次の日曜になんとか時間を作って、ペン1台にHighSpeedLens1本を着けっぱで撮りに行こう♪

ハーフの42mmは35mm換算だと60mmくらいか?まあいい、写らなければ引けばいいし寄ればいい。

ファインダーは暗くても、このレンズはピントの山がしっかりしている。

リバーサルフィルム2本を、真夏の暑さも忘れて撮りながらPENデジタルを買うのは、

もう少し後で良かったと、オンボロペンを使いながら思った。

いままで日曜は母の介護で夕方からしか撮影できなかったけど、もう朝から出れるようになったので(泣)

今回はND4のフィルターを使って、感度を半分に落として、このレンズの溶けるような描写を愉しみたくて、

ほとんど開放から2.8くらいで撮っています。

このペン&レンズは旧タイプの指示方式という、ファインダーで合わせた0から7までの数字を、

レンズに刻印された数字に合わせると、レンズの裏側の絞り値が変わるという、なんとも面倒くさい

超アナログな露出方式ですが、慣れると数字だけでいろんなシーンごとの露光が頭に入っているので、

いちいち測らなくても数字だけで使える便利さがあります。

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虹を見た。      5D Carl Zeiss Distagon 28mm F2 ZE

2011年07月14日 08時15分38秒 | Digital












昨日も一日がむしゃらに働いて、へとへとになりながら駅に立つと、もう7時も回っていたのに雨上りの東空に、くっきりと綺麗な虹が見えた。

駅から自宅まで1分。

走って自宅に戻り、とりあえず付いていたディスタゴン28mmの5Dを手に取って、ネクタイにサンダル履きのままチャリンコでそばの水路まで走った。

もうほとんど陽も当たらない、夕暮れの川沿いの草むらに、誰かが植えたのか一輪の百合とダリアが、今年たぶん最後の梅雨をうけて咲いていた。

F2開放1/40秒の手持ちだが、感度を上げたくなかったのでISO100~160(-0.75アンダー露光)で、ウェットな空気感をそのまま残したかった。

水路の写真を前々回のアンジェニュー28mm F3.5(光線漏れ)と同じ場所で同じような時間帯だ。

次の朝、梅雨が開けて暑い夏が始まった。


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BIUTIFUL           Canon New F1 New FD 85mm F1.2L TMY-2 XTOL1:1 20℃ 9,30min

2011年07月11日 23時27分53秒 | Film Camera


斑入り葉のモンステラ茎挿し苗をもらった。

毎日すこしずつ葉が痛んでいく。

毎日ていねいに褐色になった枯れた部分を切り取って葉水を与える。

甦れ!


ある場合には運命っていうのは、

絶え間なく進行方向を変える局地的な砂嵐に似ている。

君はそれを避けようと足どりを変える。

そうすると、嵐も君にあわせるように足どりを変える。

君はもう一度足どりを変える。

すると嵐もまた同じように足どりを変える。

何度でも、何度でも、

まるで夜明け前に死神と踊る不吉なダンスみたいに、それが繰り返される。

その嵐はどこか遠くからやってきた無関係ななにかじゃないからだ。

そいつはつまり、君自身のことなんだ。

君の中にあるなにかなんだ。

だから君にできることといえば、その嵐の中にまっすぐ足を踏み入れることなんだ。

その嵐は千の剃刀のようにするどく生身を切り裂くんだ。

何人もの人たちがそこで血を流し、

君は両手にその血を受けるだろう。

それは君の血であり、

ほかの人たちの血でもある。

そしてその砂嵐が終わったとき、

どうやって自分がそいつをくぐり抜けて生き延びることができたのか、

君にはよく理解できないはずだ。

でもひとつだけ、はっきりしていることがある。

その嵐から出てきた後、君の人生は変わっているんだ。

ビューティフルに。




村上春樹が監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥに捧げた『海辺のカフカ』よりの章節

週末に会社帰りに映画を観てきた。

タイトルはBIUTIFULだが正しいスペルはBEAUTIFULだ。

このタイトルひとつにも主人公が育ってきた貧しい環境が分かる。

どうしても観たかった映画だが、これはまぎれもない父性愛の映画だ。

だから女子や子どもを持ったことのない青年が観ても、もしかすると深く理解されないかもしれない。

母性が肉体的なものとすれば父性はきわめてメンタルなものだ。

それは母性が卵子とともに子宮のなかで10ヶ月過ごしたことと違って父性は自分の意思とは無関係に酸の海(?)をひたすら泳ぎ到達した一匹の精子の違いだろうか(笑)

監督イニャリトゥ作品は『21g』と『バベル』を見たが今までの集大成といっても言い過ぎでない秀作だ。

『21g』のベニチオ・デル・トロが好演した裏社会に生きる信仰深い男と、この映画のハビエル・バルデムが演じるウスバルという男が僕には重なって見えてしまう。

映画は2ヶ月の余命を宣告された男に、これでもかというほど辛い試練と悲しい出来事が起こる。

主役を演じたハビエル・バルデムは『ノーカントリー』でみせた怪演とはうって変わって次第に受難者イエスをも彷彿とさせる悲しみと慈愛に満ちた表情に変わっていく。

彼はこの役のために過酷なダイエットをして別人のようになっていた。

心を病む妻のマランブラ役のマリセル・アルバレスは舞台の振付、演出家で今回初のオーデションに合格した、まったく無名の素人同然の演技者だが切ないほどマランブラに成り切っていた。

最後まで決まらなかった、この映画の重要な役どころの娘のアナは学校帰りに撮影を見学していて自分から『私もこの映画に出てみたい』と監督に声をかけた小学生だというから驚きだ。

さまざまなこの映画のレビューでは『終りを知ったものだけが見せる、力強く美しい人間の姿』とあるがこれはまったく的はずれな解説で(失礼でごめんなさい)

彼は結局、根本的なことはなにひとつ解決できずに弱々しく惨めな最期を迎える。

ただ、死を前にして彷徨える死者と意思を通じ合える能力を持つウスバルがずっと探しつづけていた若き日の父と会話をしながら、愛する娘にその父からの形見の指輪を譲る

シーンに30数年生きてきて、おそらくいい事など数えることほども無かっただろうこの男に人生最期のささやかな幸せが見えた。

移民問題や同性愛、家族のありかたを静かに問いかける映画だ。

イタリアのバルセロナの裏町はとても汚く、そしてとても美しい。

音楽は素晴らしくワンカットがまるで今はないコダクローム25で撮られたような深い美しさに満ち溢れ、映画を見終わったあと数千枚という心に刻みつけられるPORTRAIT写真を

見せられたような感動で僕は息苦しささえ覚えた。
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P. Angenieux Paris Retrofocus F.28 1:3.5

2011年07月04日 00時41分41秒 | Film Camera



















Primoplan 58mm f1.9付きのエキザクタ・ヴァレックスというクラシックカメラを2月にBさんとシェアして手に入れたがお互い忙しくて4ヶ月も使う暇なくポーチに包んだままだった。

近ごろどうにか仕事も気持ちも落ちついてヤフオクを見ていたらアンジェニュー28mmF3.5というレンズを見つけてしまい後先も考えずに買ってしまった。

前玉に薄く傷ありと周囲にカビ跡があったのと人気の無いEXAKTAマウントだから79000円のプライスが28000円に値下がっていた。

ライカマウントなら10万近くはする高値の人気レンズで、こんな値でないと生涯買うつもりも起きなかったと思う(笑)

昨日着いてテストがてらにpo-tora400を詰めて撮ってみたが、コマ数カ所に光線漏れ?

3コマ目の川に映るほうきで掃いたような同じ形のが映り込んでいる。

シャッター膜?ボディ側の光線漏れ?まさかこのレンズってこともあり??一度検査をうけないと駄目かなぁ。

レンズ側かボディ側かPrimoplan 58mm f1.9を着けてもう一度確かめなくては。

それにしてもアンジェニューはカッコ良い!(めちゃくちゃ重いが)

ただ写りのほうは画質音痴なのであまり分かりません(笑)

柔らかいのに切れがあるとか階調が豊かだとか立体感が尋常じゃないとかの意見を見ますが、3.5くらいに暗さにしてはカメラのファインダーのせいもあるのか、ピントの山が掴みづらい

ただ、このレンズはまた写真を撮りたくなるということは確かなようで、以前のようには撮る時間も限られるだろうけどぽつぽつと撮っていこうと思います。
コメント (4)
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