あなたを見つめて。。 monochrome life

モノクロ自家現像の写真を左のカテゴリー一覧からご覧ください。
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― 遠 雷 ―  part.1

2010年07月29日 12時40分56秒 | 遠雷

この日、よく出かける淀川の川原に立っていた。
夏草が風に擦れる音やわんどに棲む鳥たちの鳴き声に混じって川ひとつ隔てた街中から打ち上げ花火の音が聞こえてきた。
初めはそれが打ち上げ花火だとばかり思っていたが、どうやら川上からの雷の音だった。
海かぜ川かぜを撮っていた夏の終わり頃に激しい夕立に遭って、身を隠すところの無い河原で全身ずぶ濡れになった苦い経験があったから、
すぐに身を隠す橋げたを探していた。
1㎞以上離れた橋まで走りだそうともしたが、雷の音は近づくことはなく次第に川上のほうへ小さな音になっていつしか消えていた。

















camera:No.1.3(pentacon six tl)No.2.4.5(Rolleiflex SL66E)
lens:No.1.3(Carl Zeiss Jena Biometar 120mm F2.8)No.3.4.5(Carl Zeiss Planar 80mm F2.8 HFT)
film:No.1.3(PRESTO)No.2.4.5(TRI-X)
selfdeveloper:RODINAL 1:50 20℃±0.5・No.1.3(PRESTO ISO100使用 8.30min) No.2.4.5(TRI-X ISO200使用 9min)normal撹拌

*PRESTOの減感現像はISO200のほうが良かったか?
減感現像とは実効ISOを下げてオーバー露光で撮影し現像を短く、または低温で処理して適正なフィルム濃度に仕上げる。
長所として低粒状化、幅広い階調などで反して増感現像とは実効ISOを上げてアンダー露光で撮影し現像を長く、または高温で処理して適正なフィルム濃度に仕上げる。
長所として微光量下での撮影、短所として粗粒状化、高コントラストがあげられるがこれを長所として意識的に使われることが多い。

告知 モノクロ普及委員会(MFI)

来る8月10日(火)~8月16日(月)に大阪農林会館B1FのNadarにて日頃、例会や飲み会などギャラリーを使わせていただいているNadar様に感謝込めてMFI会員40名による ”ありがとうNadar” 展が行われます。
ひとり一点monochromeのグループ展ですので僕も出展します。
でも、まだ何も撮ってないし、プリントもorz
搬入まで、あと10日も無いし、何も決めてないし、8月14日のパーティも尾道へ行っていて出られないからそれまで少しは顔を出さないとなぁ。。
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白詰草の咲くころに。  Part1

2010年07月18日 23時11分36秒 | 白詰草の咲くころに。
camera:Canon New F-1
lens:Biometar 120mm f2.8(PENTACON 6)
adapter:Ukraina tilt+M42+FD
film:ILFORD PANF PLUS(ISO50)
developer:XTOL1:1 20℃ 8min
scanner:EPSON GT-X970























行きつけのカメラ店の棚の隅に怪しげな中古のレンズadapterが目にとまった。
M42レンズをキャノンの旧FDマウントに着けられるというものだった。
知らなかった!
キャノンのFDマウントは現行のEFマウントとも互換性が無いばかりか、フランジバック(マウント面からフィルム面までの距離)が他社より短いので、どのadapterを介しても∞が出ないか、補正レンズを介して近距離撮影にのみしか出来なかったので、ニコンなどと比べても驚くほどの安値で出回っている。
Biometar 120mm f2.8レンズはPENTACON 6の正規レンズだが、旧東ドイツ製ということもあって、写りにはカールツァイスの血を引く優れたレンズにもかかわらず、これも又1万そこそこで手に入れてなかなか使う機会のなかったレンズだ。
アルミ鏡銅削り出しでフォーカスリングは革巻きという美しい姿だったが、グリスが切れて少々ヘリコイドが重いのが安値の理由らしい。
今回そんな不遇なレンズ同士を結びつけたのが、ウクライナ製のTilt&Sift adapterだった。(PENTACON6マウントをTilt&Sift鏡銅からM42マウント)
これはネットで新品で1.6万くらい。
俯瞰位置からadapterの0~8までレンズ光軸をずらすことと、360度回転させることによって、ピント面を極く浅から極く深まで調整できる。
この日は雨あがりの夕暮れに淀川の橋の上から撮影しているが、ジオラマ風撮影は誰もがデジタルでのカラーなので、(光軸を俯瞰位置から上に向けて開放で撮っているのと、ピント自体がファインダーでは確認が難しいから液晶で撮影の度に確認しないと辛いこともあり、確認の出来ないフィルムでは試す人が少ない)低感度の銀塩フィルムで愉しんでみました。
それにしても、M42+FDが使えるということは現行で最高の性能を誇るツァイス製Planar T* 1.4 50mm ZSが使えるということです♪
試しに50mmZS+FDadapterをF-1に着けて店で覗いてみたが、数十年前の設計といえど今だ最高のファインダーを誇るNewF-1で見た近景や遠景はFDレンズ群とはひと目で違いの判る美しさでした。
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雨あがりの贈り物 Rolleiflex SL66e tilt Fuji PN400N

2010年07月12日 01時28分22秒 | Rolleiflex 2.8F・3.5F・ SL66E
       
       
       
       

今日、注文してあった現像液とフィルムがモノクロ写真材料の「グレイス」より届いた。
今日までの注文で15%offだったので、迷いに迷ってまたまたロジナール500ccを2本も注文してしまった。(1:50に薄めて使用するのでなかなか減らないけど)
迷ったのは、このロジナールという現像液がくせ者で、使い手を選ぶというかオールラウンドというか、悩ませながら楽しませる現像液だからです(笑)
たとえば海外では1:100に希釈して20℃で1時間のあいだ無攪拌放置などという荒技で使われています。
そういった場合はやはり前浴をしなければムラが起こるのかなぁ。。
また、放置といえばいい加減のように聞こえますが、この季節に20℃を1時間キープすることはエアコンを使っても難しいと思う。
決して微粒子ではなく、むしろ粒子は目立つほうかな?
改めて銀粒子による結像の美しさの魅力を再認識させられた現像液です。
高感度フィルムの極希釈長時間では粗粒子、低感度硬調フィルムでは超微粒子、エッジの際立った画像はむしろデジタルB&Wの滑らかな無粒子の逆流をいこうとしているのかもしれない。
あとagfaAPX100フィルムが36枚10本で1本あたり300円を切っていたので20本仕入ましたが、APX100って使ったことないけどどうなんでしょうか?
いずれの薬品・フィルムもagfaの倒産で一旦は製造中止されましたが、再開されたことは一時的な現象にせよ銀塩ブームの到来?(喜)
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父の思い。 Canon EOS 5D Distagon T* F2/28mm ZE ISO800

2010年07月06日 23時35分53秒 | Digital
父が亡くなって、もうずいぶんになる。
若いころ親父のようには生きない!親父のようにはなりたくない!と面と向かって暴言を吐いた自分がその頃の父の歳になって、
父と同じ職業を継いで、父のように生きたけど、とうとう父のようにはなれなかった。
あのときあなたは何故、あんな暴言を黙って聞いていたのだろう。
誰より喧嘩っぱやくて、すぐに怒りだす人間だったのに。
亡くなった夜に自分の幼い娘がそばに居るのも忘れて号泣しながら、あなたの巻き爪をニッパーで切りました。
僕が親孝行らしいことをしたのは、いつも巻き爪に苦しんでいたあなたの爪を切ってあげることくらいだった。
亡くなって5時間も経っていたのに、少しも冷たくなくていつもの大きな柔らかな足でした。
10本の巻き爪は相当に手強く、しばらく切ってあげていなかったことがいっそう涙を強くした。
切った爪は49日の納骨までティッシュに包んでいつも肌身につけていました。
お墓に骨を戻したとき、その爪もぱらぱらと土に還しました。
最後まで父の思いを分らないままの馬鹿な息子でした。






















































この日曜は前日までの雨が嘘のように上がり、久しぶりの梅雨の晴れ間だった。
一日を公園の緑に癒されて気持ちの良いまま、食事をとろうと繁華街で降りたとき、歩道の車止めに足を止めて一時間ちかくもかかって、すべてのシールを撮っていた。
剥がされても貼り直して、上から重ねられても又、貼り直して目立つ場所に必ずそれは貼られていた。
何年も経っているのもあれば真新しいのもある。
これを見た本人が万にひとつでも気づいて連絡をしてあげてほしいものだ。
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踏切の向こう側へ(part2) Canon New F-1 Kentmere PAN 100&400

2010年07月01日 01時48分17秒 | Film Camera
lens:FD 24-35mm F3.5 S.S.C Aspherical / 4.5.6.10.11.12
lens:FD 50mm F1.2 / 2.9
lens:New FD 85mm F1.2L / 1.3.7.8.13
self developer Rodinal(1:50)20℃ 13min




















































ここしばらく日曜の夕暮れに、この街を写真散歩している。
晴れの日が1回残りの2回は雨だった。
2枚目の喫茶店のメニュー写真が、再びこの街へ足を運ばせたきっかけなのかもしれない。
3駅分歩きながら西天下茶屋の創業65年になる、まる福という喫茶店の看板メニューを見たときだった。
コーヒー160円は、まあ考えられなくもないがホットケーキ80円、あん蜜140円、ミルク金時140円、バナナジュース80円という、とんでもない値がすこし汚れた、ろう細工見本に書かれていたからだ。
3日に分けて上の品物を味わってみた。
どれもインスタントや冷凍ではなくすべて主のお爺さんマスターが手作りした本物の味と適正な量の商品だった。
ところで、このメニュー!
65年経過したと言われても信じられるほど、セロテープが何重にも重ね当てられていた。
初日は食べ物は恐ろしくて(笑)手始めにバナナジュース(繁華街のデパ地下で300円はする果物ジュースより濃厚で美味しかった)を注文してみた。
もしや代金先払いかと思い100円をデコラのテーブルに置いたまま待っていると30年も時が逆戻りしたような錯覚を感じた。
昭和レトロの雰囲気が漂う店内の客は店を出るまで僕ひとりだった。
都心の難波から、わずかに歩いただけの汐見橋から西天下茶屋にかけて走る汐見橋線は、わずか150円の運賃でとてつもないワンダーランドな旅が出来る異次元電車への改札口だった。
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