本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

ウォーム・ボディーズ【映画】

2013年10月03日 | 【映画】
レディースデーに1人で観賞。
恋愛映画、という触れ込みだったので、相方付き合わせるの申し訳なくて。
さすがに女子が多かったです。

観終わってから知ったのですが、『50/50』の監督だそうで、
あああ、なるほど共通点あるわー、と思いました。
悲劇になりそうな題材を、穏やかなハッピーエンドで締めくくる感じとか。

本作、色々とつっこみどころはあると思いますが、
個人的には『50/50』より、こっちの方が好きです。

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ゾンビと人類が戦いを繰り広げる近未来。
ゾンビのR(ニコラス・ホルト)は、仲間と一緒に
食糧である生きた人間を探しに街へと繰り出す。
人間の一団と激闘する中、
彼は自分にショットガンを向けた美少女ジュリー(テリーサ・パーマー)に
心を奪われてしまう。
ほかのゾンビに襲われる彼女を救い出し、
自分たちの居住区へと連れ帰るR。
彼の好意をかたくなにはねつけていたジュリーだったが、
徐々にその純粋さと優しさに気付き出す。
ついに思いを寄せ合うようになった二人は、ゾンビと人類の壁を打ち壊そうとするが……。
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とても王道で、非常に分かりやすい。「愛が地球を救う」映画です。
これはネタバレに過敏になるタイプの映画ではないので、そのまま書きますね。


ゾンビが人間に恋をする、という設定は(私が知らないだけかもしれないけど)
今まで余り見たことないなと思ったのですが、
恐らく、所謂"ゾンビ"が思考する、という概念がないからだと思います。

主人公であるゾンビのR(アール)君は、思考するゾンビです。何故かは不明。
でも、音楽や小物を嗜好品として収集しているあたり、人間だった頃の趣味を引きずるという設定なのかな。
更に本作において、ゾンビ間のコミュニケーションも初期段階ですでに成立しています。
言葉は交わさないけれど、うなったり、目で思いを伝えたり、という感じ。
"ゾンビ"の定義が非常に曖昧なんですが、
ウイルスにより脳が退化した(若しくは脳死に近い状態??)ことで、
思考したり、言葉を発したり、という行為が難しくなった、と考えるのが妥当かなと思いました。
(あくまでも、本作においてつじつまを合わせるために、ですが。)

とはいえ、以降、論理的に考えると結構つっこみたくなる要素がいくつかあります。
が、まあいいや、とも思います。理由は後述。


本作で、世界にいるのは、人間とゾンビ、だけではありません。(ゾンビが蔓延した理由はウイルスみたい。)
ゾンビから更に退化(進化?)した、"ガイコツ"というのがいます。
姿も骸骨そのまま。鼓動がするものは全て捕食対象という、なかなかアグレッシブなモンスターです。
彼らは、飢餓に耐えられなくなったゾンビの成れの果て、という設定で、
中間的立ち位置にいるゾンビ達は、ガイコツになりたくないから程々に人間を食べている、という感じです。

例えば、R君の最初(で最後)の捕食時、
「脳みそは全部食べてあげないとゾンビになってしまうから。」という
意味不明な情けをかけてあげるのとかも、思考するが故ですね。


物語序盤は、ほとんどがR君のモノローグですが、
彼が人間の女子・ジュリーに恋したことから、少しずつ言葉のコミュニケーション能力が回復し、
徐々にモノローグが少なくなっているように感じました。この辺は上手い。

人間のようにあれやこれやと思考をめぐらせない分、
ゾンビの恋愛アピールは単純明快で、全てが彼女に対する好意によってなされる親切行為
でも、そういうのが一番女子にはぐっとくるんだよねえ。
好きな子のために頑張る姿は、例えそれがゾンビだとしても非常に微笑ましいです。
ゆえに、ジュリーも心が動くのかなと。
(でも、ジュリーの彼氏死んだばっかりなんだけどね…(苦)。)


上映開始1時間経過くらいで最初の山場が来るのですが、
あれ?もう終わりなの???と思ったら終わらず、
後半は、どういう展開か全く予想しておらず、逆に結構楽しめました。
少々ジャンルが違う作品にもなっていたような。とはいえ、王道展開。もはや少女漫画みたい。
でも、グッとくる友情描写なんかもあり、なかなか心も打たれます。

ラストについても賛否あるでしょうが、
ゾンビ題材のパニック映画においてはチープかもしれないこの展開は、
青春恋愛映画においては許容されてしまう不思議。これも少女漫画的。
そもそも、死んだからゾンビになるわけではなく、感染したからゾンビになる、という理屈ならば筋は通るよね。


まあ、タイトル『ウォーム・ボディーズ』だもんね。
なるほど、そういうことかと。

確かに非現実的で、有り得ない結末ではありますが、
ともあれ、これも恋愛映画だからこそ成り立つ話かなあ、と思いました。
個人的には許容範囲なフィクションです。



ちなみに本作は、色々と影響を受けている作品が多いと思いますが、
『ショーン・オブ・ザ・デッド』なんかは、
この監督は結構好きなんじゃないかなあと感じました。
一番分かりやすくベースになってるのは『ロミオとジュリエット』。しっかりオマージュしてます。
何てったって「R 」と「ジュリー」の恋物語。まんまじゃねえか、と。
本家『ロミジュリ』が''死''によるバッドエンド(ハッピーエンドという捉え方もありますが・・・)ならば、
こちらは、''生''によるハッピーエンドですね。
昔の若者と、現代の若者との、異なった強さが対照的です。

前述した「つっこみたくはなるが、まあいいや。」との感想は、
『ロミジュリ』ベースの現代の恋物語にチャチャを入れるほど私は野暮じゃないっす、て感じかなあ。
まあ、人それぞれだとは思いますが。



実際、全米初登場1位だったみたいだし、女子は好きだと思います。
何たって、主人公のゾンビがイケメンだし。
(人間の時よりも、ゾンビの時の方がカッコいいと感じたのは私だけだろうか…。それもどうなの。)

私は『ロミオとジュリエット』の悲恋よりは、
こっちのハッピーエンドの方が好きです。
恋愛は、実らせてナンボだよ。


興味があれば、是非。

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ちなみに余談ですが。

全部が全部とは言いませんが、
サービスデーの映画館では、ガッカリする経験をすることが多い気がする。
映画の出来が良いのに、悲しい気持ちで映画館を後にするときの何たる虚しさ。。。

今回の犯人は、女子大生(か新人OL)3人組。
家か!!っつーテンションで、上映中も喋るわ、携帯は開くわ、と、酷かったです。
上映開始時に『これ、始まってる?ねえ、始まってるの??』『始まってるんじゃない?』て、
あ”ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、もうっっっ!!!
グッと堪えて、心の中で全力で舌打ちしました。

映画館のマナー予告、当たり前のことでしょうよと思いながら観ていたけれど、
やっぱり必要なんですね。。。

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