本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

あなたを抱きしめる日まで【映画】

2014年04月13日 | 【映画】
@新宿ピカデリー

ホルモン@zeppの日、有給休暇取得で見てきました。

元々は、話の内容はなんとなく分かるからいいや、と見るつもりなかったのだけれど、
映画評論家の町山智浩さんの評価を聞き、興味がわいたので見ました。
ただ、あらすじをほとんど聞いちゃってたので、ストーリーに対して新鮮味が無かったことと、
(相方曰く『町山さんは結末以外は全部喋る人』とのこと。)
仕事終わりの疲労感で、眠気と格闘しながらの鑑賞。
正直一瞬飛びましたが、ストーリー展開にはしっかりついていけました。
いいんだか、悪いんだか。

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1952年アイルランド、未婚の母フィロミナは
強引に修道院に入れられた上に、
息子の行方を追わないことを誓約させられてしまう。
その後、息子をアメリカに養子に出されてしまった。
それから50年、イギリスで娘と暮らしながら
常に手離した息子のことを案じ、
ひそかにその消息を捜していたフィロミナ(ジュディ・デンチ)は、
娘の知り合いのジャーナリスト、
マーティン(スティーヴ・クーガン)と共に
アメリカに旅出つが……。
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数十年前に、自分が産んだ子どもの消息を追う、というストーリーは、
文字だけ読むと、スタンダードなお涙頂戴ものな印象です。

大まかなあらすじを知っていたため、
ラストのちょっとしたどんでん返し以外は、あまり強い印象はないのですが、
恐らくこの映画の高い評価の大半は、
ジュディ・ディンチ演じるフィロミナさんの魅力によるものだということは分かります。

天然、という表現が一番合ってるような気がしますが、
結構強烈な下ネタとかも、さらっと口に出したりして、
行動をともにするジャーナリストのおじさんが困る、とか。
キャラクターの個性が上手くコメディ要素として効いているので、
退屈なお涙頂戴映画になっていないのが、本作が秀逸な所以かなと。

ジュディ・デンチは言わずもがなの素晴らしい演技。
天然なおばあちゃん、というキャラクターを、
鬱陶しさとかわいらしさの、絶妙な中間地点で演じているので、
イヤミなく、すんなりストーリーに入り込めるんだと思いました。

この感じ、何かの映画に似ているな、と思ったら、
そういえば「ネブラスカ」のママ!あそこまでえげつなくもないですが・・・。
(あっちは旦那と息子が本気で困っていたからね。)
ただ、憎めないおばあちゃんとして共通していますね。



人身売買、というテーマ自体は重いですし、
この映画を見て、物凄い嫌悪感にさいなまれましたが、
きっと、時代と国が違えば、当たり前に起きていることなんでしょう。
これが実話に基づくところだというのも興味深い話ではありますが、
最後、フィロミナさんが、「やっぱり(記事に)書いてもいいわ。」と
記者に話すところは、ちょっと説得力に欠けるかなあというのが正直な感想。


アカデミー賞レースに乗っかって色々と見ていますが、
実録映画が多い印象です。
事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものですが、
面白おかしく、変に話しを盛らずに、丁寧に描くことでこそ、
その"事実"に見えてくるテーマ性がはっきりとしてくるわけで。
ハリウッドに気合い入れてそれをやられてしまうと、日本映画はまだまだなのかなと、
何だか寂しい気持ちにもなりますね。

ストーリーはスタンダードなので、意外性という意味での感動はありませんが、
それでも劇場ですすり泣きが聞こえる程度には、良い話です。
公開もそろそろ佳境かとは思うので、興味があればDVDで、是非。

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