Kindleで1巻無料キャンペーンの時に読み、
どうしても、どうしても我慢できなくなって、
地方出張の移動時間に電子書籍で読んでしまいました。。
(別の出張移動で「僕だけがいない街」も半額キャンペーンで買った私のバカヤロウ。)
海野つなみさん、という漫画家さんは、
私と同世代には非常に馴染みのあるお名前だと思いますが、
『なかよし』で、ひうらさとるさん(「ホタルボヒカリ」)とか、
今お休み中の早稲田ちえさんとか、と一緒に、活躍されていた方。
短編は何本か読んだことあったんですけど、連載ものをきちんと追うのは初めてでした。
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大学院を出ながらも就職難で派遣社員になった森山みくりは、
いわゆる派遣切りに遭い、無職の身となってしまう。
求職中の娘を見かねた父は、
家事代行サービスを利用していた元部下・津崎平匡が
折りよく代行の会社を替えようとしていたところを頼み込んで、
週1回の仕事を取り付けてくる。
気難しい性格で、あまり他人に構われることを好まない津崎だったが、
みくりとは適度な距離感を保って良好な関係を築く。
だが、定年を機に田舎へ引っ越すという願望を両親が叶えることになり、
現状を維持したいみくりは津崎に「就職としての結婚」を持ちかけ、
その提案にメリットを感じた津崎は了承し、2人は契約結婚という道を選ぶ。
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うーん。新しい視点。面白かったです。
結婚を、恋愛の先にある"人生のイベント"ではなく"制度"として、
そのメリットとデメリットを、真っ向から取り上げています。
最初は、その考え方自体も興味深く読んでいたんですが、
主人公・みくりのモノローグ描写が工夫されていて面白かったり、
淡々とした問題提起作品かと思いきや、絶妙なタイミングで恋愛を挟んできたりして、
バランス良く読める良作だと思います。
ただまあ、20代ではもしかしたら私には分からなかったかもなあ。
恋愛の先に結婚がある、というのは当たり前のように思えるけれど、
働いて、変な話、自分で生計を立てている女性にとっての"結婚"は、
視点を変えれば、紙1枚で、対価なく"家事"という労働をする一方的な契約である、という
ちょっと極端ではあるけれど、なるほどなあ、と実感させられました。
だからこそ、現代では多種多様な家族のかたちがあり、
結婚という制度も変化しているのだと思うのですが。
昔ながらの大和撫子は、こんな疑問は抱かなかったのかもなあ。
女性が強い時代に生まれて、良かったのか、悪かったのか。
未婚の私にとっては、結構身につまされることも多いですが、
単純に、この作品の恋愛要素がものすごく好みで、
さらに言うと、津崎さんのビジュアル(画像参照)が最高に好み過ぎて、
それだけでも相当楽しく読めました。
新刊も予約しちゃったもんね。
既婚未婚問わず、そこそこ働いていて、
年齢も重ねている女性に、ちょっとオススメです。
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