本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

もらとりあむタマ子【映画】

2013年12月06日 | 【映画】
@新宿武蔵野館

ホルモン@新木場LIVEの前の空き時間に、
相方と観に行きました。
正直、急いで見なくても~、DVDでも~、くらいに思っていたんですが、
観ておいて良かったです。

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東京の大学を卒業した23歳のタマ子(前田敦子)は、
父親がスポーツ用品店を営む甲府に戻って来る。
彼女は特に就職活動をするわけでもなく、
ほぼ毎日惰眠をむさぼり、ぐうたらな日々を送っていた。
父親に仕事を探せとせっつかれても聞く耳も持たず、
たまに起きているときはマンガやゲームに没頭していたが……。
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前日から続く体調不良・睡眠不足により、
10分くらい意識が飛んでる箇所あります。不甲斐なし。
ただ、これは決して映画の出来によるものではない、ということだけは断っておきますね。
DVD出たら、ちゃんと見直すから!!!


あ、面白かったです。ほんとです。

上映時間は約70分と短いですが、
その中で、1つの家族の春夏秋冬(順番的には秋からだけど)を丁寧に描いています。

独り身(離婚済・原因は母)の父と、
大卒ニートの娘、の距離感の描写が絶妙です。

タマ子本人も言ってますが、父親は『出てけ』って言えないんですよ、きっと。
恐らく母親だったら、遠慮なく言うところ。そこの違いを上手くついている感じ。
逆に、父親の再婚話が浮上して来た時、
何というか、焦るんでしょうね、娘って。母親とは違う女の人の存在に。
溺愛とか、嫉妬とか、単純な言葉では表せない、お互いの複雑な葛藤。
その描写が巧みで、心地良い。
丁寧に書かれた脚本だな、と思いました。


ちなみに
『モラトリアム』とは・・・
『青年が社会で一定の役割を引き受けるようになるまでの猶予期間のこと』だそうです。
(「コトバンク」より引用)


昨今、ゆとり教育がどうのとか言われていますが、
現在の若者の不安な気持ちや状態を"猶予期間"と称し、
優しい目線で見守る作品になっていると思います。
(それでも、タマ子は普通よりも甘えている気はするけどね。)


ただ、個人的に唯一残念だったのは、エンドロールの後にくっついていたあの映像。
無名の俳優さんや女優さんならば気にならないだろうし、
恐らく監督は、よかれと思ってつけたのでしょうが、
主演・前田敦子、と謳っている本作では、ちょっと余計だったかな・・・と。
映画の中には"タマ子"だけが存在していればいいのであって、
"タマ子"を演じる"前田敦子"は、映画本編の中には要らないと思うのですよ。
後述しますが、前田敦子は本作でとても頑張っていたと思うので、余計に残念でした。


俳優陣について、あまりつっこむところはないです。
特に、お父さん役の康すおんさんは素晴らしいですね。表情の1つ1つが、凄くいいです。
相方は、『こういう役者さんがもっともっと映画で活躍してくれたらいいのに。』と絶賛でした。
他、中学生役の彼もいいですね。
ああいう普通っぽさを、映画の中で表現できるのは、
監督の演出手腕ありきだなあと思います。

主演の前田敦子についてですが、
「苦役列車」の時、思ったよりも全然良い、と書きましたが、
本作も例に漏れず、思ったよりも全然良かったです。

彼女は、AKB48という色眼鏡で見られがちな場所に居た人ですが、
映画女優としてキャリアを重ねるには、それはハンデになると思うんですよ。

山下監督のファンを公言していて、本作も企画段階で『絶対やりたい!』と自ら手を挙げたそうですが、
自身の知名度に甘んじることなく頑張っていたと思います。
タマ子の、絶妙にイラっとする感じを上手く演じています。
演出も上手いんでしょうが、彼女自身の吸収力もあるかなと。
何かのインタビューで、
『映画は監督のものだから、演技も監督の言うとおりが正解。だから指示された通りにやる。』
と話しているのを見て、好感度が上がりました。
このまま、良い女優さんに成長して欲しいですね。


AKBを引き摺ってこの映画を見に行く人はあまりいないような気もしますし、
昔ほど、彼女のアンチは多くないとは思いますが、
この作品で、彼女の評価はまた上がるのではないかなと思います。
作品自体も、彼女の姿勢も、いいと思います。

前田敦子について多く書きましたが、
映画自体も、思い出すたびに評価が上がる作品なので、
体調不良で飛んだ時間をちゃんと取り戻すべく、
しっかり見直さないといかんなと思っております。

上映時間も長くないし、退屈さも少ない作品だと思います。
オススメですので、是非。

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