本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

告白【映画】

2010年06月14日 | 【映画】
あたしは中島哲也監督があまり好きではありません。
過剰な監督カラーが合わない。

でも「下妻物語」とか、作品によっては嫌いじゃないので、
こういう個性もありかなぁと思ってます。

そんな訳であまり期待せずに鑑賞した本作。


「パコ~」とか「嫌われ松子」で見せた色彩とはうって変わって
全編暗め、重めの映像美。
そんな中、美しく咲き乱れる桜さえ、
ちょっとした恐怖感を煽るような、
ものすごく怖い話です。


あたしは原作を読んでいたので、
話の筋は知っていましたが、
この映画は、原作6割、演技4割に
助けられた作品だと思います。

松たか子、木村佳乃は本当に素晴らしかったし、
他の出演陣も中学生も含めてよかったんじゃないでしょうか。
欲を言えば、少年A母はもう少し演技出来る人がよかったけれど。

松たか子演じる森口先生の狂気、
木村佳乃演じる少年B母の狂気、
岡田将紀演じるウェルテルの狂気、
犯人の少年達の狂気、
クラスメイトの狂気、
すべてのバランスが絶妙な原作を
非常に忠実に描こうとしていたように思います。


…途中までは。



この映画に限って言えば、
原作が素晴らしい分、過剰な演出や映像は必要ないと思うんだよなー。

そういう意味では、
ところどころ見える監督独特のカラーが、
良い効果をもたらしている箇所もあれば、
そうでない箇所もあり、
後者が目についてしまったのが、正直残念でした。

それでもまぁ許容範囲かなーと思ってたんだけど、
爆発のシーンで一気に冷めた。
あのシーンがなかったら、個人的評価はすごく高かったなと。残念。



とは言え。

説教くさい不良少年更生ドラマになっていないので、
原作を読んだ時のモヤモヤ感とスッキリ感が入り混じった、
何とも言えない複雑な感情が、映画でも感じられたので、
良く出来ているんだと思います。

一見の価値あり。


でもやっぱ、この監督は好きじゃないかも。

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