本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

地獄でなぜ悪い【映画】

2013年10月01日 | 【映画】
私の記憶が定かであれば、本作の公開は元々春くらいを予定していたはず。
最初の情報が出たときから楽しみにしていた私にとって、物凄く切ない延期だったのですが、
それでも、中途半端なものを見せられるよりは…!!と待ち続けて半年。

待った甲斐、ありました。

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極道・武藤組の組長・武藤大三(国村隼)は、服役中の妻・しずえ(友近)の夢でもあった、
娘のミツコ(二階堂ふみ)を主演にした映画製作を決意する。
映画の神様を信じるうだつのあがらない映画青年・平田純(長谷川博己)と、
通りすがりの普通の青年・橋本公次(星野源)を監督に、
スタッフやキャストは全員自分の子分のヤクザで構成した。
さらに、武藤組と対立する池上組の組長で、
ミツコに恋心を抱く池上純(堤真一)と池上組全体を巻き込んで、
事態はとんでもない方向に進んでいくのであった。
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トロント国際映画祭「ミッドナイト・マッドネス部門」で観客賞を受賞したそうです。
「ミッドナイト・マッドネス」、
素晴らしいネーミングであり、まさに納得の受賞だなと思います。

私の中では、今まで見た(一部見てないのですが)園監督作品の中で、
(劇場で鑑賞してないにもかかわらず)
「愛のむきだし」が1位だったのですが、軽く超えてきたな、と。

もう、何にも考えずに、細かいこととか(いい意味で)どーでもよくなるくらい
愛とパワーに溢れた傑作でした。
冒頭の掴みから、一度も気が散ることなく、2時間半があっという間。

正直、物語については長々と感想が出てきません。そんなのどうでもいい。
もちろん、良かった点は色々と沢山あるんだけど、
長々とレビューとか、考察とか、そんなの書くの野暮なほど、
テンションが上がりきって、鑑賞後2日経っても下がりません。アホか、私。
まだ頭の中では『全力歯ぎしりレッツゴー♪』と流れてますから。

ただもう、とにかく、すごく!!!面白かった。
それに尽きますね。


あ、でもこの映画において重要だった要素の1つ、キャスティングについて、
素晴らしかったということだけは書いておきます。覚書だからね。

特筆すべきは、現在私が一番好きな俳優・長谷川博己さん。やってくれてました。
彼の終始テンションの高い演技は、舞台作品の感情開放に近い感覚でしたが、
早回しのセリフや、細かい表情の作り方など、映像においても活かされています。
そして、彼の全てがパーフェクトにカッコ良くない(笑)。いや、見た目はカッコ良いんだけど。
正しい使い方かは分からないけど、所謂''中二病"と称されるイタさを存分に体現しており、
パーフェクトなカッコ悪さが一貫していて、中盤以降、逆にカッコ良く見えてくる、という不思議。
まあ、贔屓目もありますが、この作品において彼の存在の大きさは相方も力説していて、
相方は、本作の評価の半分以上は長谷川博己に対するもので、
これで男性ファンが増えるんじゃないかと言ってました。
(実際、相方もかなり好きになった、と言ってたしね。)

他キャストについても、褒めるところしかなくて、
国村隼に星野源、と完全に私のツボをついたキャストに加え、
いい味出してた堤真一と二階堂ふみも、すごく良かった。
カメオ的にチョイ役で出演していたオールスターキャストにも文句なしです。
(ミッキー・カーチスのシーンで不覚にも泣きそうになった私。結構最初の方なのにね。)


この映画がどのように評価されるかはまだ未知数ですが、
グロ描写がニガテ、という一部の人に受け入れられないのは仕方ないとしても、
一級品のエンターテインメントとして、結構な大衆に受けるのではないか、と思ってしまうし、期待してしまいます。
(この辺は、相方は、いやいやどうだろうね。とも言ってましたが。)

私が毎年、"けっっ!"と思いながらも見続けている日本アカデミー賞ですが、
今年(去年のラインナップね。)、私の個人的ランキング1位作品、
でも絶対受賞はないだろと思っていた「桐島、部活やめるってよ」が受賞しました。
来年、あの映画賞レースに、まさかの園子温が入る、という違和感バリバリの展開が、
もしかして有り得てしまうのではなかろうか・・・と今から心配です。
(そもそも、あの賞レースなんて、映画会社が"売りたい"大作を出品した八百長に近いものに見えるからなー。どうだろなー。)
でも相方は、もしそうなったら日本は良い国だ、とも言っていたので、
期待はせずに、今後の評価を見守りたいです。


誰が何と言おうと、私、相当大好きな映画です。
このままだと、今年1位でしょう。
タイミングが許せば、もう1回は観に行きたいと思います。

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