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山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

<拡大成長>から<縮小成熟>へ

2018-12-19 23:37:01 | 文化・芸術


世界経済の<拡大成長>から<縮小成熟>への移行は可能か?

先ずは表1を見られよ、各国富裕層における富の集中ぶりが凄まじい。
世界の経済<拡大成長>主義は、資源の争奪や浪費、弱者搾取による際限なき貧富の格差、さらには文化的退廃を増すばかりだが、
世界の富の半分がすでに1㌫の富裕層に握られているという事態に到っては、
まさに世も末、末期的症状であり、
このままでは、人の世に展望はない、と断じざるを得ないだろう。




そして線グラフのほうは、国連による世界人口予測だが、
ここでは2100年までを、赤.黄.緑の三通りの予測を示している。
ひたすらうなぎ上りで、2100年には140億に達するのを、赤色に
2080年頃の92.3億を頂点に、その後やや減少気味となるのを、黄色に
2040年頃の75.6億を頂点に、その後はぐんと減少曲線を描くのを、緑色に
と図示しているが、
万国共通の信号の如く、緑色に進むべし、という訳だろうが
そうでなければ、世界は破滅、ただ壊れゆくしかない。

―今月の購入本-2014年11月

◇白洲次郎「プリンシプルのない日本」 新潮文庫
◇小林峻一「闇の男―野坂参三の百年」文藝春秋
◇マーヴィン・ピーク「タイタス・グローン―ゴーメンガーストⅢ部作①」 創元推理文庫
◇マーヴィン・ピーク「ゴーメンガースト―ゴーメンガーストⅢ部作②」 創元推理文庫
◇マーヴィン・ピーク「タイタス・アローン―ゴーメンガーストⅢ部作③」 創元推理文庫
◇村瀬 学「自閉症―これまでの見解に異議あり!」 ちくま新書
◇村瀬 学「『銀河鉄道の夜』とは何か」大和書房
◇久保 亨「国家と秘密 隠される公文書」 集英社新書
◇中原中也.訳「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」 Kindle版
◇小泉英明「育つ・学ぶ・癒す―脳図鑑21」工作舎
◇三枝博音「日本の思想文化」 中公文庫
◇新倉俊一「詩人たちの世紀―西脇順三郎とエズラ・パウンド」みすず書房

演技における<ニュートラル・ポイント>

2018-12-18 00:52:27 | 文化・芸術


人にはそれぞれ「心のニュートラル・ポイント」とでもいうべきものがある
謂わば心身のゼロ状態に近いもの、自然にある状態の如きもの

ならば、役を演ずるという表象においても
演技における<ニュートラル・ポイント>がなければなるまい
それはほんの瞬間、垣間見られるようなものであるとしてもだ

役としての、情感や思念を追うあまり
どこまでもドロドロと厚く塗り込められては、ただの凝り型
そこに立ち顕れるのは、硬ばった大仰なる虚妄の世界でしかない

<ニュートラル・ポイント>なしに、
役の、生命のダイナミズムなど、現前する筈はないのだ


―今月の購入本- 2014年10月
◇太宰 治「惜別」 Kindle版
◇イザベル・アジャーニ.他「カミーユ・クローデル」DVD
◇魯迅「阿Q正伝・藤野先生」 講談社文芸文庫
◇長岡輝子「老いてなお、こころ愉しく美しく」草思社
◇鈴木美代子「長岡輝子の四姉妹―美しい年の重ね方」草思社
◇ガストン・バシュラール「瞬間と持続」紀伊国屋書店
◇W.ユージン・スミス.他「写真集 水俣」三一書房
◇会田雄次「アーロン収容所」 中公文庫
◇三好 徹「チェ・ゲバラ伝―増補版」文春文庫
◇佐藤幹夫「十七歳の自閉症裁判―寝屋川事件の遺したもの」 岩波現代文庫
◇近藤 誠「患者よ、がんと闘うな」 文春文庫
◇近藤 誠「がん放置療法のすすめ―患者150人の証言」 文春新書
◇近藤 誠「抗がん剤だけはやめなさい」 文春文庫

エリクソンの心理社会的発達段階

2018-12-16 23:40:31 | 文化・芸術
<アイデンティティ-identity-自己同一性>の概念を生み出したエリクソン-Erik Homburger Erikson-が、
この概念を基軸として8段階からなる自我の心理社会的発達段階を考察したのが下図である。


<心-こころ-凝ること> -08/11/2005記

異常と呼ばれ、病める心というものが、正常な健やかな心と思われているものと、どれほどの隔たりがあるのか、あるいはどんな壁に隔てられているのかということについて、精神病理など門外漢の私などには言うべきほどのことはなにもないのだが、ただ、自分のまだ幼い子どものその成長のなかで、時に垣間見せられる不可解な無意識の反応や挙動なりを考えてみると、正常と異常の心的領域のあいだには、本来比較的容易に往来可能な相互浸透的な帯状ともなった領域があるのではないかなどと思わされるのである。

人はだれでも無意識の裡に閉じ込められた異常な反応なり挙動が、自身に降りかかった出来事の緊迫性のなかで突然顕わになることは、稀にだとしてもありうるだろう。
私自身にだって、長い人生のなかで、少なくとも「我れを失った-心的危機状態」に陥ったことは、幾度かあったように思う。その状態を脱してのちに、アイデンティティの危機とはこういうものだったか、と思い返されたりしたものである。

心-こころ-とは、意識も無意識も含めてだが、凝る-こる-に通じているものだろう。
白川静の常用字解によれば、心という字は象形文字であり、心臓の形をあらわしている。
さらに和語としての「こころ」は元来「凝り固まるところ」の意味である。
ならば、心-凝り固まるところ-のその凝り型が過ぎたれば、異常ともみえようし、病めるともみえよう。
その逆に、凝り型が少なければ溶けるに似て心あらずとなり、これまた異常とも病める心ともなる。
その心-こころ-の凝り型において、個々に顕れるありようはそれぞれ固有の刻印を帯びていて、万能の物差しなどある筈もなく、つねに手探りで他者の心へと向かわねばならないのだ。

―今月の購入本-2014年09月


◇三木 清「人生論ノート」 Kindle版
◇雑誌「DAYS JAPAN」2014年10月号
◇フィリップ.ヒル「ラカン」 ちくま学芸文庫
◇大矢鞆音「田中一村作品集―増補改訂版」NHK出版
◇南日本新聞社.編「アダンの画帖―田中一村伝」小学館
◇滝本太郎.他「異議あり!―<奇跡の詩人>」同時代社

ユング-Carl Gustav Jung-のライフサイクル論

2018-12-16 01:40:04 | 文化・芸術
ユング-Carl Gustav Jung-の言葉

「私の一生は、無意識の自己実現の物語である」

「世界を創造するのは神ではなく、この私であり、
<私>の意識化という創造行為によって初めて、世界は客観的に存在するものとなるのである」

「すべての人間は
生まれながらの心理的な力-psychological force-を無意識に共有する-集合的無意識-。
これを「元型-archetypes」と名づけた。
異文化間の神話に見られる類似性から、このような普遍的な原型が存在することを明らかにできると考え、この元型が表現された一つの形態が神話だ」

<ユングのライフサイクル論>


ユングは、人の一生を一日の太陽の進行に擬え
40歳を人生の正午と呼び
人生を日の出から日没までの4つの時期に分けた。
<少年期>-<成人前期>-<中年>-<老人>であり
それぞれの境に<転換期>の存することを示した。

私自身を振り返れば――
19歳にして、演劇へ、舞踊へと、表現者たらん、創造者たらんと走りだし
その双つ道は37~8歳にて大輪のひとつ花を咲かせ、まさに黄金期を迎えたものの
43歳にして大いなる挫折に遭い、なにもかも喪失
転換期というより、ゼロからの生き直しとなった
三度目の転期とすべきは、6年前の小屋づくり<座・九条>を起点と見做すか
或いは、現在取り組みつつある、新しい小屋のスタートとなるべしか……

―今月の購入本-2014年08月


◇ミヒャエル・エンデ「鏡のなかの鏡―迷宮」岩波書店
◇東田直樹「跳びはねる思考―会話のできない自閉症の僕が考えていること」イースト・プレス
◇東田直樹「あるがままに自閉症です」エスコアール
◇萩原延壽「旅立ち <遠い崖>1 アーネスト・サトウ日記抄」 朝日文庫
◇萩原延壽「薩英戦争 <遠い崖>2 アーネスト・サトウ日記抄」 朝日文庫
◇萩原延壽「英国策論 <遠い崖>3 アーネスト・サトウ日記抄」 朝日文庫
◇佐野眞一「甘粕正彦―乱心の曠野」新潮社
◇広瀬 隆「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈Ⅰ〉」 集英社文庫
◇広瀬 隆「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈Ⅱ〉」 集英社文庫
◇広瀬 隆「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈Ⅲ〉」 集英社文庫
◇広瀬 隆「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈Ⅳ〉」 集英社文庫
◇レスリー・チャン.他「さらば、わが愛―覇王別姫」 DVD
◇横山三四郎「ロスチャイルド家」 講談社現代新書

ラオスの民法成立と<JICA>

2018-12-14 23:47:49 | 文化・芸術


-日々余話-ラオスの民法成立と<JICA>

今日の毎日新聞朝刊の3面<金言>欄で
「ラオスで民法成立」との見出しで西川恵氏が記す-以下引用
ラオスで日本が起草に関わった民法法案が同国の国会に上程されたと、先月23日のこの欄で紹介した。
今月5.6の両日審議が行われ、成立した。
国際協力機構(JICA)が同国の法整備支援に関わって20年。大きな成果に結実した。
この民法は官報に掲載され、周知期間を置いて2020年春ごろ施行される見込み。途上国でJICAが起草に関わった民法はベトナム、カンボジア、ネパールに続き4カ国目となる。



たまたま来日中のラオス司法省のプンサワット副大臣に成立翌日話を聞いた。
「大変うれしい。日本の支援が他国と違うのは、他の国は専門家を短期だけ派遣するが、日本は首都ピエンチャンに常駐させ、ラオスの事情を深く理解してアドバイスしてくれました。両国合作の民放です。」
社会主義国のラオスが市場経済体制へ移行したのは1980年代後半。以来多くの支援国が市場経済に必要とされる契約法、所有権法、担保法など個別の法律整備に携わった。
JICAが98年に初めて同国の法整備に関わった当時、そうした個別の法律が相互の整合性を欠いて存在していた。
JICAは民法の教科書や問題集を作り、ラオスの法曹界関係者と議論しながら中核人材を育ててきた。
12年、同国政府から民法典の起草を依頼された。なぜ日本だったのか。
現地駐在の専門家、入江克典(弁護士)は「ラオスに寄り添い、細かいところまで同国の主体性を尊重して指導するやり方に『日本に任せよう』となつたようです」と語る。
日本が育てた中核人材33人と日本人専門家2人の起草グループが結成された。ラオス側の案に日本側がコメントし、条文が実情に合っているか一緒に確認し、条文同士の整合性を図り文言修正を行い、双方の緊密なキャッチボールで起草は進んだ。
こうして個別法の時は整合性を欠いた所有権法、家族法、契約内外債務法、相続法などを一貫性あるものにして束ねた<630条の民法典>が完成した。-後略- と。



今月の購入本-2014年06 & 07月
◇小森陽一「橋下<維新の会>の手口を読み解く―競争、統制、自己責任」新日本出版社
◇石牟礼道子「苦海浄土-新装版」講談社文庫
◇マリオ・フラッティ「フラッティ戯曲集」未来社
◇宮本哲也「賢くなるパズル-数字ブロック 中級」学研プラス
◇宮本哲也「賢くなるパズル-四則 中級」学研プラス
◇高橋 治「純情無頼―小説阪東妻三郎」 文春文庫
◇清水 徹 & 出口裕弘「バタイユの世界」青土社