山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

エリクソンの心理社会的発達段階

2018-12-16 23:40:31 | 文化・芸術
<アイデンティティ-identity-自己同一性>の概念を生み出したエリクソン-Erik Homburger Erikson-が、
この概念を基軸として8段階からなる自我の心理社会的発達段階を考察したのが下図である。


<心-こころ-凝ること> -08/11/2005記

異常と呼ばれ、病める心というものが、正常な健やかな心と思われているものと、どれほどの隔たりがあるのか、あるいはどんな壁に隔てられているのかということについて、精神病理など門外漢の私などには言うべきほどのことはなにもないのだが、ただ、自分のまだ幼い子どものその成長のなかで、時に垣間見せられる不可解な無意識の反応や挙動なりを考えてみると、正常と異常の心的領域のあいだには、本来比較的容易に往来可能な相互浸透的な帯状ともなった領域があるのではないかなどと思わされるのである。

人はだれでも無意識の裡に閉じ込められた異常な反応なり挙動が、自身に降りかかった出来事の緊迫性のなかで突然顕わになることは、稀にだとしてもありうるだろう。
私自身にだって、長い人生のなかで、少なくとも「我れを失った-心的危機状態」に陥ったことは、幾度かあったように思う。その状態を脱してのちに、アイデンティティの危機とはこういうものだったか、と思い返されたりしたものである。

心-こころ-とは、意識も無意識も含めてだが、凝る-こる-に通じているものだろう。
白川静の常用字解によれば、心という字は象形文字であり、心臓の形をあらわしている。
さらに和語としての「こころ」は元来「凝り固まるところ」の意味である。
ならば、心-凝り固まるところ-のその凝り型が過ぎたれば、異常ともみえようし、病めるともみえよう。
その逆に、凝り型が少なければ溶けるに似て心あらずとなり、これまた異常とも病める心ともなる。
その心-こころ-の凝り型において、個々に顕れるありようはそれぞれ固有の刻印を帯びていて、万能の物差しなどある筈もなく、つねに手探りで他者の心へと向かわねばならないのだ。

―今月の購入本-2014年09月


◇三木 清「人生論ノート」 Kindle版
◇雑誌「DAYS JAPAN」2014年10月号
◇フィリップ.ヒル「ラカン」 ちくま学芸文庫
◇大矢鞆音「田中一村作品集―増補改訂版」NHK出版
◇南日本新聞社.編「アダンの画帖―田中一村伝」小学館
◇滝本太郎.他「異議あり!―<奇跡の詩人>」同時代社

ユング-Carl Gustav Jung-のライフサイクル論

2018-12-16 01:40:04 | 文化・芸術
ユング-Carl Gustav Jung-の言葉

「私の一生は、無意識の自己実現の物語である」

「世界を創造するのは神ではなく、この私であり、
<私>の意識化という創造行為によって初めて、世界は客観的に存在するものとなるのである」

「すべての人間は
生まれながらの心理的な力-psychological force-を無意識に共有する-集合的無意識-。
これを「元型-archetypes」と名づけた。
異文化間の神話に見られる類似性から、このような普遍的な原型が存在することを明らかにできると考え、この元型が表現された一つの形態が神話だ」

<ユングのライフサイクル論>


ユングは、人の一生を一日の太陽の進行に擬え
40歳を人生の正午と呼び
人生を日の出から日没までの4つの時期に分けた。
<少年期>-<成人前期>-<中年>-<老人>であり
それぞれの境に<転換期>の存することを示した。

私自身を振り返れば――
19歳にして、演劇へ、舞踊へと、表現者たらん、創造者たらんと走りだし
その双つ道は37~8歳にて大輪のひとつ花を咲かせ、まさに黄金期を迎えたものの
43歳にして大いなる挫折に遭い、なにもかも喪失
転換期というより、ゼロからの生き直しとなった
三度目の転期とすべきは、6年前の小屋づくり<座・九条>を起点と見做すか
或いは、現在取り組みつつある、新しい小屋のスタートとなるべしか……

―今月の購入本-2014年08月


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◇東田直樹「跳びはねる思考―会話のできない自閉症の僕が考えていること」イースト・プレス
◇東田直樹「あるがままに自閉症です」エスコアール
◇萩原延壽「旅立ち <遠い崖>1 アーネスト・サトウ日記抄」 朝日文庫
◇萩原延壽「薩英戦争 <遠い崖>2 アーネスト・サトウ日記抄」 朝日文庫
◇萩原延壽「英国策論 <遠い崖>3 アーネスト・サトウ日記抄」 朝日文庫
◇佐野眞一「甘粕正彦―乱心の曠野」新潮社
◇広瀬 隆「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈Ⅰ〉」 集英社文庫
◇広瀬 隆「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈Ⅱ〉」 集英社文庫
◇広瀬 隆「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈Ⅲ〉」 集英社文庫
◇広瀬 隆「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈Ⅳ〉」 集英社文庫
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◇横山三四郎「ロスチャイルド家」 講談社現代新書