「現れる現在 脳と身体と世界の再統合」アンディー・クラーク著
ビッグデータ、データ・ビジュアライゼーション、ARなど、リアルな刺激とデジタルデータの連動が可能になってきた時代に、
「心の哲学」の古典と云われているこの本、身体性認知科学の始まりを確かめてのメモを残す。
・センサーとコンピューターとメカトロニクスを統合する自律型ロボット研究、インターネット、AIと、世界の再接合は進んでいる。
*身体と精神、感情と理性、科学と非科学、対象と非対称、ルネサンスの意識過剰・検証過剰から抜け出てきた。
・身体のシステム形態学的要素と生体力学的要素が、環境と相互作用をし、身体的動作と思考と認知の神経活動が持続する生命活動。
*アフォーダンスは、それぞれの生命に依存する。お掃除ロボットのシステム形態学的要素と生体力学要素では、ゴミを認知しているのではない。
・認知は、行為ー知覚ループが世界に漏れだして、外部のシンボル構造や図式表現などの世界に溢れだしている。
*絵/図/文字記号細密度の写像/映像/CG/VR、そしてデータ連動した図象と現実空間際とのAR。
ペンや紙、タブレットから道具と空間の中での身体の動作と感覚知覚と神経伝達信号は、それぞれ連携・干渉しあっている。
・人の意識は、胎内に生を受けてから心身停止まで、膨大な作用と反作用の痕跡が蓄積された無意識と今の刺激との相互作用による複雑性の持続。
・「拡張された心」は、身体・行為に対応する世界のマッシブ・データ・フロー総体の’無意識’と相互作用による複雑性の持続である’意識’。
*リアリティの公式は、マッシブ・データ・フローからだった
R:Reality r:recency f:frequency a:amount
ΣR=r×f×a
人間の認知科学が、自律型ロボットの研究開発の中で、身体性認知学をメカニカルに展開する。
そして、ネットワークで対象を無機物から他の生命体に広げると、個人から社会の認知科学モデルへ。
・ not 'in the world', but 'of the world'
シンギュラリティは、私たちの外にあるのではない。私たちが世界の一部として、どう振る舞うか?
・’驚きの最少化/費用利益構造化’により、カオスの中の疎密階層を再帰的につくり続けながら、その余剰の刺激が質感とかビビット感として欲望され続ける。
*生存の欲望から刺激の欲望へ。量の資本主義から質の資本主義へ。
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