黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

2011プレナスなでしこリーグ第2戦 対狭山戦「ニューヒロイン誕生」

2011-05-03 23:50:48 | アルビレディース
プレナスなでしこリーグ 第6節 2011年05月3日 11:00K.O
新潟県・東北電力スワンフィールド (1603人)晴 風弱し 芝良 主審 森川浩次

アルビレックス新潟レディース 4-3(2-1、2-2) ASエルフェン狭山FC


15分 平井咲奈、31分 川村優理、40分 失点、50分 平井咲奈、69分 失点、76分 平井咲奈、87分 失点



[ASエルフェン狭山]

-------大谷-------
-田子--小林--笠嶋--柴田-
-----相澤--澤田-----
-堰-----------薊--
-----鈴木--渡辺-----

SUB:GK門西、DF田中、DF熊谷、MF岩澤、FW山崎
監督:大石裕弘

58分 相澤→岩澤
73分 鈴木→山崎
83分 薊→熊谷



[アルビレックス新潟レディース]

----- 平井--菅澤-----
-阪口---上尾野辺---佐伯-
-------川村-------
-山本--東山--北原--小原-
-------大友-------

SUB:GK諏訪、DF山崎、MF中村早、MF斎藤、FW口木
監督:奥山達之

73分 佐伯→中村早
77分 菅澤→口木
86分 上尾野辺→山崎




今オフ、一番不思議に思ったこと。
それはなぜ新入団したのが平井咲奈で鈴木薫子でなかったのかと。

今年のインカレ、準決勝に進んだ4校の中でなでしこリーグ入りをしたのは
早大の小山と小野(活動自粛中)、筑波大の筏井りさ、武蔵丘短大の鈴木薫子・乃一綾・萩原愛海、そして武庫川女子大の平井咲奈。
この中で一番目立たなかったのが平井咲奈で、全然ボールを触らせてもらえなかった。まさか、なでしこリーグ入りするとは思わなかった。


大学時代の実績、関カレ・インカレでも優秀な成績を収めその立役者である鈴木薫子ならば入団させても良いような気がする。
が、それはならなかった。何故だかわからないけど。そして狭山でなでしこリーグ入りすることになる

ほとんど大学時代までは全く実績といったような類のものはない平井咲奈。
遅れての入団ながらアルビレックス新潟レディースの背番号を付けることを許された。

違いはどこにあるのか。基礎体力かな。持久力・走力。
たぶん、ボールを扱う技術は鈴木薫子の方がはるかに上である。
だが、その技術よりも身体能力を取ったとしか思えない。
が、アルビの選手を見ている限り、実はここがかなり重要であることもたしか。

この対戦はそんなことを考えされられる一戦だった。



狭山というチームを昨年と同じように見るといけない。
それまで下部からの上がってきた選手を自分たちのやり方で試合をしていたチームだった。
が、今季は特に武蔵丘短大などの関東大学リーグから選手が大量に入団してきた。
さらに大宮アルディージャとの業務提携で派遣されている大石裕弘監督が大宮アルディージャ流のサッカーを仕込んだことで、全く別のチームに生まれ変わった。
この日のスタメンを見てもはっきりしている。
GKは大谷(常盤木OG)、日体大(常盤木学園OG、アルビ堀と同期)卒の田子が右SBに入り、CBには昨年までAC長野(神大OG)にいた小林菜摘と当然生え抜きではないベテランの笠嶋。
左SBには日本代表にも選ばれたことがある柴田(武蔵丘短大OG)。
元TASAKIの澤田と海外経験のある相澤がボランチ。
INACから移籍の堰が右SHに入り、唯一の這い抜きの薊が左SH。
2トップは武蔵丘短大OGの鈴木薫子と渡辺彩香の凸凹コンビ。
鈴木薫子が海外挑戦で1年浪人しているので、実は同い年コンビとなる。
なお、CBの小林菜摘とFWの渡辺彩香は昨春アルビレッジで行われたプレシーズンマッチでAC長野の選手として出場し、アルビにボコボコにされているから当然リベンジは狙ってきているに違いない。(その後シーズン途中に渡辺彩香はAC長野を退団)

リザーブには元アルビの田中桜と熊谷さやかが名を揃える。(ちなみにあと8試合で田中桜は100試合出場となる)

実質的になでしこリーグに次ぐ実力を持つ関東女子サッカーリーグの選手で固め、青いユニこそ着ているものの実質大宮アルディージャのサッカーをやっていると思えば、昨年のようなことが起きることはないことは分かると思う。
(アルビレディースにしても、実際、選手は常盤木学園高校などの高校から関東・関西からの大学からの選手がほとんどなわけだから選手だけを見れば同じようなものである。
その点で言えば自前で養成している日テレ・ベレーザや浦和レッズレディースはクラブとしてのポテンシャルが高い。その中でもレベルの高い選手を移籍させてチーム構成するINACは別次元だ。)


前座試合でレベルの高いJAPANサッカーカレッジの紅白戦が行われた。
日本で女子サッカーが一番強い専門学校はJAPANサッカーカレッジであることは確かだろう。
インカレにもユニバーシアードにも出られないし、地域リーグの北信越ではどうしようもなく、唯一の発表の場がリーガ関東というちょっと悲しい現実がある。
さりとて、アルビとの関係もあってチャレンジリーグに参戦できるかと言えばそういうわけにもいかず。
来年おそらくチーム登録されるであろう新潟医療福祉大学女子サッカー部とJAPANサッカーカレッジとアルビレックス新潟レディースU-18の同門3チームが全女新潟県1枠を争うことになるだろうから、それはそれでゾクゾクはする。
(あと、私立高校のチームが1~2チーム誕生すれば新潟県内は相当レベル高い中で試合ができると思われる。まあ、なでしこリーグに2重登録あるいは特別指定選手登録できるかどうかはまだまだだろうか。)


さて、今年のホーム戦も定刻11:00K.O。
珍しく男性3人のレフリーチームだ。男性レフリーなのでオフサイドの見落としは少なそうである。


前半、ブロックを形成する狭山の守備にアルビが手を焼く。
ボールは持っているのだけど、出しどころがない。
小さな澤田がちょこまかとうるさい。

ようやく15分に試合が動く。阪口選手から上尾野辺選手にパスが通りアシスト、平井選手が落ち着いて蹴りこんで先制。
これが平井選手のなでしこリーグ入り初ゴールとなる。

前節の日テレ・ベレーザ戦よりは多少菅澤選手との距離感が良くなった感じはするけれど、まだ2人が上手くシンクロしているようには見えない。
この試合では最終ラインでの駆け引きをして、中盤の選手にボールを良いタイミングで出してもらったおかげでGKと1対1になれたが、菅澤選手との連動は今ひとつだったような気がする。

その後もなかなかペナルティエリア内へ侵入できず苦心するのだが、川村選手と阪口選手のコンビで抜けて追加点。

このまま無失点でいきたかったところだが、鈴木薫子の突破を上尾野辺めぐみ選手がゴール正面で倒してしまい、そのFKを渡辺彩香が壁の上を豪快に決める。
この時間帯は武蔵丘短大の選手で試合をしているって感じのところだった。

前半は2-1で終了。もっと点が入っても良いような気がするし、微妙なミスで不用意なカウンターを招いている。
まあ、「POWER BY 大宮アルディージャ」だからそうなるのは当然なのだが。





後半両チームメンバー交代無し。
もっと攻めるかなと思いきや、攻められる。
そんな中、またもや上尾野辺選手のパスを受けた平井選手がラインを抜けゴール。
何と何と記念すべきチームの1部通算100ゴールを平井咲奈選手がレコードしてしまった。
まあ、FWだからその可能性は高いのだろうが、サポーターからしてみると良い意味で予想外。
たぶん本人は気がついていないに違いないが、立派なメモリアルゴールだ。

3-1になって楽に試合が進められたかというとそうでもない。
アルビの守備が一様に軽い。東山選手のカバーリングと大友選手のセービングにだいぶ救われているところがある。

後半15分過ぎ、だいぶ狭山の選手の運動量が落ちてきた。
シーズン前の大事な時に計画停電で練習が制限された影響がもろに出た格好だ。

で、岩澤和が出てきた。昨シーズンまではチームの中核だった選手がここで出られるのはチーム力が上がった証拠だろう。
ちょっと運動量が戻った。

そのあと、なんとアルビのミスで鈴木薫子にパスカットされて決められる。
鈴木薫子になでしこリーグ初ゴールを献上してしまった。
3-2。守備が怪しいのでやばい雰囲気だ。

が、その鈴木薫子、その後、急激に運動力が落ちる。日体大OGの山崎に交代。

アルビも運動力が落ち始めたところで、佐伯選手を中村早樹選手に交代。
これで右サイドの運動量が格段に上がる。
俊足でこれまで取れないようなボールを取れるものだから、ポイントが高いところで勝負できるようになる。

で、またもや上尾野辺選手からのパスを受けた平井選手が右足炸裂。
何と何となでしこリーグ2戦目にしてハットトリック達成。
アルビは2年連続で狭山からハットトリックを達成したことになる。

これで4-2。
時間的にも安心していられるような得点差になったのだけど、どうもこの日の守備はいただけない。

永遠のアルビへの刺客熊谷さやかが左サイドへ投入。
中村早樹選手との高速マッチアップとなる。

で、アルビの右サイドのSHとSBの間のスペースに出されたボールを拾われて、豪快なミドルシュート。
してやったりの熊谷さやか選手。
4-3。

とくかく勝たないといけないアルビはそのあと、ボールを狭山陣内で回してタイムアップ。
引き分けなくてよかった、そんな感想の試合になってしまった。






終わってみればシンデレラヒロインの平井咲奈選手のハットトリックでアルビレディースの勝利とはなるものの、自分たちのミスで何とも締まらない試合となってしまった。

試合中に東山選手を中心にDF陣が何度も緊急会議を開いていたっていう事実がこの試合の深刻さを物語っていると思われる。

あと1試合したら中断期間となるので、その間に何とかしないと今のままで攻撃力のあるINACや浦和レッズレディースと対戦したらたぶん壊滅状態になる。

少なくともCBとSBでDFラインを揃えるとか、SBが駆け上がれるようにCBが空いたスペースをカバーするとか、そんな基本的なお約束事を徹底しないと何点取っても勝てなくなる。

この試合では右SHの佐伯選手が内に切れ込んで良い感じで外にスペースを作ったが、そこへ誰も入れず。白鳥の右の翼は閉じられたままであった。

今年は震災の影響で公式試合数が少ない。なので、なかなか経験値を積むことは難しいとは思われるが、何とかDF陣の奮起に期待したい。

今年は北原佳奈選手の瞬間判断力と予測能力がなでしこリーグのレベルに達せれば3位以内は見えてくるだろうが、今のままなら厳しいかな。

東山教室のノートがどれだけ厚くなるかが鍵かな。たぶん、今はいっぺんにたくさんのことを言われていて頭の中からデータが溢れそうになったいるんだろうな。

がんばれ、がんばれ、ここ1~2ヶ月で人間が変わるくらいがんばれ!! 

ここでがんばらないとせっかく新潟へ来た意味がないよ。






で、今年1番の目玉、児玉桂子選手はまだ試合に出られるレベルに達していないのだろうか?
フィジカル的な面からも夏あたりからかな。