黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

Jリーガー・なでしこリーガー共に減少の2011年

2011-02-09 06:20:02 | サッカー一般
〔都道府県別Jリーガー数〕
今年もこの方のデータをちょっと拝借して考察。よくできているよね。
出身地なんて、定義の仕方でどうとでもなるので、細かいことは言いっこ無し。
ただ、全体の傾向はこれではっきりとわかるよね。

ガイナーレ鳥取が加わり一つクラブが増えたJリーグ。
でも、Jリーガー総数は減少。

有名選手が海外移籍するようになったことも一因だろうが、こちらの方がおっしゃっているように景気動向が主原因だとは思う。

もっと地域の企業や個人がクラブをサポートできる形(寄付や税制、サポートする気持ちや地域文化としてのクラブ)をはっきりと示していかないとこのビジネスモデルはどんどん縮小していってしまう。
個人が具体的にクラブを支えることを意識できたら、もっと多くの人が絡めるし、資金や新たな選手の契約が生まれるかもしれない。


〔都道府県別Jリーガー数と新潟県〕
ちなみに新潟県出身のJリーガーは10人超。
10年前と比べると明らかに多くはなってきたけれど、まだまだ他のJ1クラブと比べると少ない。
アルビユースからはそれなりにプロ選手が誕生してきているので、他のクラブや高校の問題が大きいかな。
結局アルビが他の地域の小中学生は引っ張ってきながら、地元の選手と競い合わせて育てていくしかないのだろうけど、もっと地域から小学生レベルの段階で上位の都府県と同様の環境にならないとこれから先は増えないかな。
個人的にはアルビの2種登録の選手が、ガンガン、プロ契約の選手に迫っていく競争の世界が見たい。泉のように良い選手が涌き出るアルビレッジになればもっとプロ契約選手が増えると思う。

お父さん、おじいさん、あるいはお母さんがサッカー経験者の人が多くいる都道府県はやはりサッカー文化が根付いていると思うデータだ。

まあ、鹿児島とか滋賀などの一部の例外を除いてはJリーグのクラブが無い県はプロサッカー選手が少ない傾向ははっきりしている。



一説によると、お父さん、おじいさん、あるいはお母さんがサッカー経験者の人が多くいる県(高校サッカーなどが盛んな都道府県)は女子サッカー登録者数が多いらしいのだが、これはJリーガー数の都道府県ランキングとほぼ同じ傾向を示しているね。


〔なでしこリーガーの減少・クラブの危機〕
岡山湯郷Belleから新入団選手発表がなされた。
これで2011年を戦うなでしこリーグ全てのチームの新戦力がほぼ発表されたことになる。
最終的な集計はもうちょっとあとにしようとは思うが、たぶん、昨年と10チームの顔ぶれを変わらないのに、なでしこリーガー総数は減少したと思われる。
1部昇格の翌年は引退者が多い傾向があるとか、日テレ・ベレーザのように運営会社の体制変更で方向性が変わったためとか、浦和レッズのように引退選手が多く出たためとか、様々な理由は考えられるが、やはり資金的な問題や選手雇用の問題が一番の理由ではないだろうか。
(ASエルフェン狭山やジェフ千葉のように多くの選手を獲得したところもあるので、一概には言い切れないのだが。)

個人的には、日本の女子サッカー最高峰リーグである「なでしこリーグ」に入らず、学連(大学サッカー)へ流れていってしまった高校生が増えてきたのも理由の一つかと思う。
クラブの下部組織がしっかり整備されているところは昇格組がなでしこリーガーとして登録されるが、そうでないところは他所から獲得しないといけない状況なのでこの高校生達の傾向は辛いところではある。
また理由としては弱いが新高校3年生と新大学4年生に有望選手がいるために今季の採用枠を抑えたクラブや企業も多少はあるかもしれない。

レベル的になでしこリーグよりかなり低い学連(大学サッカー)でこれからの選手生活を送ることになる有望選手が、現在のなでしこリーグあるいはクラブに魅力を感じることができれば、卒業後に入団する可能性もあるが、もし、今のような社会環境ならば引退相次ぐ可能性はある。
22歳定年制にならないように女子サッカー界も社会人がプレーできる環境を整備しないといけない。たぶん、これが早急に改善しなければならない課題だ。男子とは同じようにはいかないだろうけど、経済的という部分は根が同じだ。


〔JFAアカデミー福島〕
さらに注目したいのは、JFAアカデミー福島がなでしこリーグへの主たる選手供給になっていないことである。
年代別代表をJFAアカデミー福島で固めるのは、JFAの方針だからしょうがないのだが、その選手達がJFAアカデミー福島を卒業後、サッカーのプレーヤーとして日本のサッカーをどうこうしていこうという進路をとっていないことも遠因ではなかろうか。
2011年シーズンになでしこリーグに在籍しているのは、2009年卒のアルビの菅澤優衣香・東電の山根恵里奈、2011年卒の東電の浜田遥の3人だけである。
あとはほとんどが大学へ進学して、その地域の大学リーグを戦っているか、別の形でサッカーに関わっているかである。(2009年卒の亀岡夏美のように九州リーグでサッカーをするものもいるが)
たぶん、今後もこの傾向は変わらないだろう。日本のエリートだから大学へ行ってもらって勉強するのは長い目で見ると良いことなんだろうけど、日本の競技力の向上という観点ではかなり残念な傾向である。
(まあ、あのカリキュラムだとしたら、大学へ行って学問を究めようっていう気持ちにはなるし、将来、サッカー協会の幹部になるわけだから、語学力を高めてもらってもらった方が良いのだけど)

国内の競技力を高めるJFAアカデミー福島の機能は、DVD作成の為には向いていると思うのだけど、選手供給源としてはあまり期待できないと思っていいのではないだろうか。
たぶん、卒業後、なでしこリーグ入りをする選手は稀だし、今後はいなくなるのではないだろうか。


何にせよ、もっと大勢の人が関心を持てるようなリーグにしないと選手は増やせない状況になってきている。
リーグやクラブが細部にこだわった情報発信をすることはもちろんのこと、サポーター同士も繋がりを拡げていって化学反応を起さねば、この危機を乗り越えられない。