友は風の彼方に(DVD）

製作・監督・脚本: リンゴ・ラム
撮影: アンドリュー・ラウ
音楽: テディ・ロビン
出演: チョウ・ユンファ/ダニー・リー/スン・ユェー　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１９９９年
ネットでこの香港映画が『レザボア・ドッグス』の元になったと知ってＤＶＤを借りて見た。
チョウ・ユンファの映画を一挙に見た時期があって、この映画も見ていたのに忘れていた。
潜入捜査官の物語、ジョニー・デップの『フェイク』等もひょっとしたら『友は風の彼方に』の影響を受けているのかもしれない。

確かに捜査官が黒社会に潜入する間にギャングとの間に友情が生まれるところは『レザボア』に似てはいる。
が、しゃれて、どことなく明るいタッチの『レザボア』とはまた違う。
『友は風の彼方に』の二人はカッコよくはない。
男同士の友情！熱くて切ない。

潜入捜査官の物語はユンファとトニー・レオンの『ハードボイルド』があり、これも香港では沢山の賞を獲った。
『ハードボイルド』これがまた、凄く面白いのだが、詳しい部分を忘れていて感想が書けず残念。泣
『インファナル・アフェア』もこの亜流だと思う。

話は情緒やへったくれは抜きで、トットと進む。笑
しがない強盗（ダニー・リー）と伯父に頼まれやむ終えず潜入を続けている刑事ユンファ。
ユンファは強盗の黒幕を突き止めるため一味に潜入する。
そこには、「親も強盗で学もない俺にはこの道しかないさ」という根はイイやつ、ダニーがいた。

二人は気が合い、いつどうなるか分からぬ身から結婚をためらい振られたユンファを、何も知らないダニーは慰める。
根は優しいギャング、ダニー・リーが良い。（日本のサラリーマン風の容貌　笑）
とぼけて愛嬌のあるチョウ・ユンファがこの映画をとても印象的なものにしている。
この人は感情の表現力が並ではない。
上背があり立っているだけで絵になる数少ない亜細亜の俳優だと思う。

もう一人、アメリカ帰りかなんだか功名に走る警察の上官。（まだ若造）
ことごとくユンファを目の仇にして、ギャングよりよっぽど憎らしい男であるが、これが上手い。
追い詰められたギャングたちは仲間割れを起こし、有名なジョン・ウーカットが見られる。（３人が互いに銃を突きつけ合う）

ユンファはリーを庇い、自首しろと言う。彼は自分の身元を明かすが・・・
ダニーの台詞「お前はハワイに行くんだろう！」
肌身離さず持っている恋人からのエアメールが憎い小道具だ。ユンファ～～★

ユンファはそう、ハワイに行ったんだ・・・胸を打つラストの演出に降参です。